コロナ禍や採用難、働き方改革やパワハラ防止など、若手を育成する環境は大きく変化しています。従来のやり方では通用しない時代になり、管理者や先輩社員からの悩みも増えています。今回も皆様から寄せられた質問に回答しながら、若手を生かすノウハウをお届けしていきます。

【お悩み相談】まもなく2年目になる新人、どう育て上げる?
写真/khwanchai stock.adobe.com
[画像のクリックで拡大表示]
悩み:4月で2年目を迎える新人社員が、まだ頼りないです。後輩も来るのに心配です。

 新卒社員の1年目が間もなく終わります。今年4月には2年目となり、次の新入社員のよき先輩になることが期待されています。ですが、期待値に達していないと感じる新卒社員もいます。コロナ禍によるテレワークで、細かい指導が行き届かなかったことも一因です。あと2カ月足らずですが、何とか、2年目にふさわしい社員に育て上げたいです。ぜひ、アドバイスをお願いします。

(34歳、小売業)

アドバイス:なぜ期待値に達していないのかについて、上司と本人、2つの視点から取り組みを考え、認識を共有することがポイントです。また、テレワークでのコミュニケーション不足を感じるのであれば、今回の経験を次に生かしましょう。

 そのために、以下の3つを実践してみてください。

(1)期待値に足りていない点とその改善策を明確にし、部下と共有する。
(2)4月までに「上司が求めること」と「本人が取り組みたいこと」の2つのカテゴリーで具体的なゴールと行動を設定する。
(3)テレワークを踏まえた自社にとっての最善のコミュニケーション方法を、部下と一緒に話し合って決める。

 では、詳しく説明していきましょう。

曖昧な感覚で現状を捉えず課題を具体化する

 入社から10カ月以上が過ぎても、新卒社員が期待値に達していないと感じるのであれば、その責任は上司に比重があります。研修を含めた全体の新人教育に問題があったとも考えられます。もちろん、新卒社員の素質によるところもあるでしょう。ですが、「働くこと」について右も左も分からないゼロからのスタートです。本人の責任と捉えるよりも、指導やコミュニケーション、環境づくりが十分ではなかったと考え、4月までの挽回策を打つべきでしょう。

 そのためには、曖昧な感覚で現状を捉えず、原因を明確にしてから、具体策を立てることが鉄則です。まず上司として以下の3点について早急に整理し、明確にしてください。

(1)どこに物足りなさを感じているのか
(2)本来はどのように育っていることを期待していたのか
(3)なぜ、期待値に達していないのか

 その上で、改善策を考えます。改善策を具体化したら、整理した上記3点の内容と併せて本人と共有します。足りない部分、本来あるべき状態についても共有することが重要です。上司と部下、双方がこれらを明確に共有できていないと、伴走して短期間でゴールすることはできません。また、改善策はトップダウンで指示するのではなく、本人が実践できるイメージが持てるように必ずすり合わせてください。