コロナ禍や採用難、働き方改革やパワハラ防止など、若手を育成する環境は大きく変化しています。従来のやり方では通用しない時代になり、管理者や先輩社員からの悩みも増えています。今回は、五月病などに代表される若手の不調に対するフォローについて、読者からのお悩みに回答します。

【お悩み相談】「新人の五月病をどうフォローする?」
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悩み:五月病が心配な新人をどうフォローすればよいでしょうか

 春に入社した新人が見るからに元気がなくなってきており、連休明けの五月病や離職が心配です。出勤と在宅勤務が並行運用になり、常に新人を見ておくこともできない中で、どうフォローするのがよいでしょうか。

(37歳、卸業)

アドバイス:新人の不安や心配の原因を明らかにし、「一緒に」解消する方法を決めましょう。「観る」意識での継続フォローも忘れずに。

 五月病など、新人の不調原因となる「不安や心配」を傾聴で明らかにし、どうすれば解消できそうかを「一緒に」相談しましょう。絶対ダメなのは、気になりつつも、様子を見ていること。手遅れにならないよう、先手先手を意識したサポートアクションを心掛けてください。「観る」の意識で継続フォローも忘れずに。

 では、詳しく説明していきましょう。

不安や心配の原因を明らかにする

 この時期の新人に見られる不調の原因は、生活のリズムが変わることによる身体的なものもありますが、きっかけの多くは心理的な面にあります。心理面に影響を与えるのが、何らかの事柄に対する不安や心配です。

 多くの若いビジネスパーソンと関わってきた経験上、新人の不安や心配の原因となるものとして、圧倒的に多いのは次の3つです。(※採用・配属のミスマッチングによる「やりたい仕事と違う」は除いています)

①新しく覚えることが多過ぎて付いていけず、先行きに不安を感じている。
②思っていた以上に仕事ができない自分に直面して、自信喪失している。
③同期など周囲と比べてできない自分に負い目を感じている(思い込みも含め)。

 昨今の働く若い世代は生真面目な性格な人が多く、それ自体は良いことなのですが、生真面目が故に、上記のような不安や自分への落胆、自信喪失の状態などに陥りがちです。

 周囲からすれば、まだ気にするほどではないと感じる状態でも、深刻に受け止めてしまっている新人も珍しくありません。世代間ギャップや、現代に見られる価値観の多様化があるために、上司が思いもよらないことが原因になっていることもあるかもしれません。

 問題解決のためには、まず原因を明らかにすることが鉄則です。原因は、上記のようなものが多いのですが、本当の理由は新人本人にしか分からないので、臆測で動かず、まずは「聞く」ことから始めましょう。

 聞き方としては、聞き手が新人に対して、何かおかしいと感じていて心配していることをまず明確に伝えます。その上で、「何かうまくいかなかったり、思ったようにできなくて困っていたり、しんどいことがあるんじゃない?」と投げ掛けます。あえて何か困り事がある前提で「あるんじゃない?」と聞くのがポイントです。

 その際、「新人は何かと不安や心配が心にたまりがちな時期だから、もしそうだとしても普通だよ」「不安や心配を正直に話して助けてもらうのはダメな事でも恥ずかしい事でもないよ」と、思い悩むことを気にし過ぎないよう少しでも新人の心の重みを軽くするように寄り添い、「自分一人の中に不安や心配をため込まないでほしい」という思いを伝えると良いでしょう。