コロナ禍や採用難、働き方改革やパワハラ防止など、若手を育成する環境は大きく変化しています。従来のやり方では通用しない時代になり、管理者や先輩社員からの悩みも増えています。今回は、何かにつけて、上司にすぐに答えを求めて「自ら考えようとしない若手」に悩む読者からのご相談に回答していきます。
「自分で考えて行動する」ことは、社員が成長する上でも大事だと思っています。ところが若い部下が、何をするにも考えることなく、すぐに答えを求めてきます。まずは自分で考えることを習慣づけるにはどうすればよいでしょうか。
(35歳、樹脂加工業)
若い部下に考えることを習慣づける鍵は、「自ら考えることが組織風土として力強く根づいている」ことが重要です。まずはここを改善し、その上で「個別指導で意識づけを徹底」することが、自ら考えることの習慣化につながります。
では、詳しく説明していきましょう。
まずは環境。「自ら考える組織風土」を強化する
今回のご相談は、若い世代の部下を持つ経営者や上司の方からよく伺うものの1つです。
皆さんにとっては当たり前の「仕事は自分で考えてするもの」という考えとのギャップを感じずにはいられませんよね。すべての若い世代がそうとは言いませんが、考えずに、すぐ答えを求める傾向は相対的に若い世代に多いと私も感じています。その理由としては、
①間違いたくない(評価減点が嫌)
②考え方が分からない、考えても分からない(諦め)
③答えが上司・先輩の中にあるのなら、それを聞いて従うのが一番(面倒臭い)
このあたりが代表的で、時に驚くのは③の「答えがあるなら、教えてくれればよい」という考え方に、面倒というより、考える時間が無駄、聞いた方が合理的だと思っている人すらいることです。これでは、皆さんと価値観が合わないのも当然ですよね。
このような背景も踏まえつつ、「どう習慣づけるか」ですが、組織全体に「自ら考えること」を、「明確に求め、環境を整備する」ことから始めましょう。ポイントは「明確に」の部分です。