働きやすい職場環境づくり支援に取り組んでいる、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの朝生万里子氏が三菱UFJビジネススクエア「SQUET」で連載しているコラム「『困った社員』の対処術」から、人気記事を転載する。今回が最終回。服務規律違反を繰り返す社員に対して、会社が注意や指導を尽くしても改善されない場合に「懲戒処分」を検討することになるが、実際に処分を行う際、注意する点について確認する。

それでも懲りない社員には──懲戒権の行使と制限
写真/琢也 栂 stock.adobe.com
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〈登場人物紹介〉

岡田顧問
顧問社会保険労務士。中堅・中小企業のさまざまな労務トラブルに対応できるベテラン社労士。初歩的な当たり前の質問にも丁寧に答えてくれるため、質問しやすい先生である。

田中係長
人事部に配属されて約5年。先月、主任から係長に昇格したこともあり、やる気は十分であるが融通が利かない面もある。今回は、社内で生じる問題について、「会社のリスク回避」に焦点をおいて勉強しようと思っている。

中村さん
新卒入社2年目の元気な女性社員。やや情に流されがちであるが、働きやすい職場環境をつくることに役立ちたいと強く思っている。

田中係長先生、これまでさまざまな問題に対してご回答いただき、どうもありがとうございました。服務規律違反を繰り返す社員に対しては、まず会社が注意や指導を尽くす必要があることがよく分かりました。

 そして、会社の努力にもかかわらず改善されない場合に、ようやく「懲戒処分」を検討することになるのですね。ところで、懲戒処分を行う際の注意点を教えていただけますか。

岡田顧問まず大切なこととして、会社が当然に懲戒権を持つわけではないので、労働契約上の根拠が必要です。つまり就業規則に、懲戒についての定めがあることが重要です。そして、その内容が社員の皆さんに周知されていなければなりません。

中村さんはい。わが社の就業規則には、懲戒規定を定めています。そして、社員は、誰でもイントラネットで就業規則を見ることができるようにしています。

田中係長「制裁」の定めをするならば、その種類及び程度を就業規則に記載しなければならない、ということが労働基準法(以下「労基法」)89条で定められていますよね。

岡田顧問そうです。「制裁」、つまり「懲戒処分」は、恣意的に行われやすいものなので、その「種類及び程度」を就業規則に記載しなければならないと定められています。

中村さん就業規則に定める制裁の「種類及び程度」には、何か決まりがあるのですか?

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