「本人」「同僚」「お客様」の3者へ配慮

中村さん不快に感じる方がおかしい、と主張する人もいるかもしれません。そんなときはどうしたらいいでしょう。

岡田顧問そういう方もいらっしゃるでしょうね。そのために、会社としての「身だしなみの基準」、または、「基準」はちょっと堅苦しいという場合には、身だしなみに関して一定の目安または許容範囲を設けておく必要があるのです。

【身だしなみの基準の例】

1.基本ルール
清潔感のある身だしなみを心掛け、お客様や同僚に不快感や嫌悪感を与えることのない服装や髪形等をすること。また、業務上の時間は個人のプライベートな時間ではないことを自覚し、身だしなみを適切に整えること。

2.避けるべきもの
次に該当するものは避けること。
(1)お客様や同僚が、不潔・汚いと感じる可能性のある服装や髪形、ひげ等
(2)露出度の高い服装、奇抜な服装
(3)ルーズな着こなし
(4)耳たぶ以外へのピアスの着用
(5)不潔な髪、過度に派手に染めた髪、奇抜な髪形等

田中係長なるほど。社員個人の価値観を尊重しつつ、同僚やお客様にも気配りし、不快感を与えないような身だしなみが必要だという会社の方針を明確にしておけば、個性派の社員にも納得してもらえそうです。営業のCさんには、私から注意をしようと思っていますが、気をつけることは何でしょうか。

岡田顧問「ひげ」そのものがダメなのではなく、「周囲の人が不快と感じるようなひげは改めてほしい」ということを説明してください。

田中係長なるほど、そうですね。今までは「ひげはそりなさい」という一方的な指示だったので、反発していたのかもしれません。

岡田顧問髪形や服装や匂いというのは、相手が不快に思っているということを本人は気づいていない場合がありますので、まずはさりげなく告げて、それでも改まらなければ、社内規程(身だしなみの基準や目安)を根拠に注意するといいでしょう。不快に感じることや、だらしないと感じることであっても、人格を否定するような言い方にならないように注意してください。

ポイント
・周囲に不快感を与えている人には、さりげなく注意を。社内規程を設けることも有効。

(三菱UFJビジネススクエア「SQUET」より転載)

朝生 万里子(あそう まりこ)氏 三菱UFJリサーチ&コンサルティング<br>組織人事ビジネスユニット HR第4部 コンサルタント
朝生 万里子(あそう まりこ)氏
三菱UFJリサーチ&コンサルティング
組織人事ビジネスユニット HR第4部 コンサルタント
特定社会保険労務士、産業カウンセラー、キャリアコンサルタント。教育関連会社勤務、社会保険労務士事務所勤務を経て、2008年三菱UFJリサーチ&コンサルティング入社。働きやすい職場環境づくり支援に取り組んでいる。著書に『よくわかる労働基準法』(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)、『2016年日本はこうなる』収録「ストレスチェック制度が企業に与える影響」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング編、東洋経済新報社)、『労災補償とメンタルヘルス』(共著、信山社)などがある。
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