日系企業への支援体制が向上

 蘇州に進出する日系企業は1000社強あり、5000人以上の日本人が駐在しています。そのため日系スーパーや日本料理店の数も目立ちます。日本人がいる歯医者やクリニックのほか、日本人学校、日本人の生活をサポートする日商倶楽部などもあり、「日本人が最も住みやすい街」と言われています。無錫市などの近隣都市に勤務する日本人の家族も多く居住しています。

左:蘇州を代表する日系スーパー泉屋百貨店、右:蘇州日本人学校
左:蘇州を代表する日系スーパー泉屋百貨店、右:蘇州日本人学校
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 中国政府当局の日系企業に対するサービスは他エリアと比較してもかなり充実しています。開発区主催の日系企業との懇親イベントが、競うように開かれ、日系企業への感謝の気持ちと関心の高さが伺えます。

 環境対策については、開発区が移転用地確保や関連コスト負担などに積極的です。2021年9月末に実施された「電力制限」では、開発区の担当者が国と企業の間を必死に調整していました。開発区当局のサービス精神は着実に進化しています。

 蘇州市がある江蘇省は、省・市・区などの行政が企業誘致などのKPI(重要業績評価指標)を競い合うことで飛躍的な成長を遂げています。今後も工場移転などを省内の行政間で連携するなどの縦割行政の垣根を超えたサービスの向上を期待できそうです。

蘇州市相城区の中日合作イベントでは筆者がスピーチした
蘇州市相城区の中日合作イベントでは筆者がスピーチした
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 蘇州は、「東洋のベニス」と称される水郷の街としてもしられています。中国で三番目に大きい太湖を始めとして湖のほか、無数の小さな川があります。こうした土地柄もあり陽登湖で水揚げされる、日本で上海蟹と呼ばれる大闡蟹など、淡水の魚介類を使った有名料理が多く、辛くない味付けなので日本人にも人気があります。

 食に関しては、日本食街「淮海街」が便利です。1994年に営業がスタートし、蘇州を代表する夜市として2020年9月にリニューアルオープンしました。現地の若者のデートスポットにもなっており、中国と日本食文化が融合する蘇州のランドマークとなっています。そば、すし、ラーメンなどの専門店も多く、その実力は、近隣都市からも日本人が食事に来るほどのレベルです。

 三国志時代は呉の都として栄えた古都であり、「上有天堂、下有蘇杭」(天に極楽があれば、地には蘇州と杭州がある)と言われ、文化や芸術の都市として栄えてきた街でもあります。

左:「淮海街」(通称:商業街)。中国人の若者も多い。右上下:商業街では和食が人気
左:「淮海街」(通称:商業街)。中国人の若者も多い。右上下:商業街では和食が人気
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