ゼロコロナ管理もアップグレード

 21年11月、上海から観光で蘇州を訪れた旅行者3人が、上海に戻った後、新型コロナウイルスへの感染が確認されました。即日政府当局から通達が出され、感染者の行程を明らかにした上で、濃厚接触の可能性がある者にはPCR検査を求め、陰性が確認されるまで「健康コード」の色を変更する措置を実施しました。健康コードは、ウイルス感染に対する「安全度」を表示するアプリで、本人の申告内容や行動履歴、政府や企業が保有するデータを分析し、ユーザーの感染リスクを低い方から緑、黄、赤のバーコードを表示します。

 旅行者が立ち寄った蘇州のエリアは、中高リスクエリアに指定されませんでしたが、隣町の無錫市では、同期間に蘇州市に行った人間に、PCR検査の陰性証明と一定期間の自宅待機を義務付けました。このように各地では、他エリアで発生した感染情報を基に瞬時に管理体制を強化することで、感染拡大の可能性を未然に防いでいます。

 これらはスマートフォンアプリでのキャッシュレス決済が広く普及している中国だからこそ可能な対応であり、都市間でのシームレスな情報共有と管理体制は見事です。そのお陰で中国に赴任している日本人も安心して仕事ができる一方、当分は私を含め多くの日本人が蘇州から出られない日が続きそうです。

左:行程カード、中:蘇州の健康コード、右:中高リスクエリアから来た人への注意看板。行程カードは携帯の基地局データから過去の移動履歴を都市レベルで表示するアプリ。中国では、感染者が居住するエリアは中高リスクエリアに指定されることが多く、そのエリアに4時間以上滞在すると行程カードに印が付き、健康コードの色が変化する。居住区や商業施設への立ち入りや公共交通機関の利用時にチェックされ行動が制限される
左:行程カード、中:蘇州の健康コード、右:中高リスクエリアから来た人への注意看板。行程カードは携帯の基地局データから過去の移動履歴を都市レベルで表示するアプリ。中国では、感染者が居住するエリアは中高リスクエリアに指定されることが多く、そのエリアに4時間以上滞在すると行程カードに印が付き、健康コードの色が変化する。居住区や商業施設への立ち入りや公共交通機関の利用時にチェックされ行動が制限される
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坂口 裕康(さかぐち ひろやす) MUFGバンク(中国)蘇州支店長
坂口 裕康(さかぐち ひろやす)
MUFGバンク(中国)蘇州支店長
1972年3月生まれ、和歌山県出身。95年三和銀行(現三菱UFJ銀行)に入行。国内支店で法人業務に重視した後、2008年(36歳)に初めて中国・シンセン支店に勤務。その後、2012年に上海本部、2014年成都支店(営業次長)、2019年無錫支店(副支店長)を経て現職。趣味はゴルフ。面白みのある見せるゴルフを目指し、日々研鑽中。蘇州の魅力を実感している。
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