広範かつ強固な海外ネットワークを持つMUFG。本コラムでは、世界各地の拠点責任者・駐在員が、現地の生情報をリポートする。第6回は、サウジアラビア・リヤドだ。現地で感じたサウジの魅力や発見をお伝えする。(D-Com編集部)

驚くべきスピードで成長するサウジアラビア
驚くべきスピードで成長するサウジアラビア

 サウジアラビアに3年もいると、鼻の奥にツンとくる「砂の匂い」で空気中の砂の量が分かるようになってきます。そんな役に立たない能力を覚醒させた私が、3年間で感じたサウジの魅力や発見をお伝えしたいと思います。

砂漠の中の「船」

 サウジアラビアの首都リヤドは、アラビア半島のど真ん中に当たる部分にあります。当然、街の周囲は砂漠。ただし、砂漠と言っても普通に想像する砂の山ではなく、実際にはもろい岩が風で崩れた砂と土くれが転がる荒野で、現地では「土漠」と言われています。

 そうした広大な土漠の中に、高さ800mの巨大な平べったい岩が船のように浮かんでいます。その上にあるリヤドは、東京スカイツリーや、高尾山の頂上と同じくらいの標高にあります。従って、冬は最低気温が8度くらいまで下がります。

 一方、8月のリヤドは生命の危険を感じます。時には最高気温が50度を超えます。特に日差しが強烈で、手や顔などに直射日光が当たると「暑い」ではなく、「痛い」と感じるほど。アラブの民族衣装は頭や顔も隠せて、極めて合理的だと身をもって知りました。

土漠に浮かぶ岩の「船」
土漠に浮かぶ岩の「船」
「痛い」真夏の日差し
「痛い」真夏の日差し

死と隣り合わせの観光地

 サウジでは最近まで観光客を受け入れていなかったため、観光地があまり整備されていません。そんな中、リヤド市内から車で2時間半ほどの場所にあるサウジのグランドキャニオン、「エッジ・オブ・ザ・ワールド」が印象に残っています。

 ここへ向かう道路はすぐに無くなり、後半の2時間程度は、土漠の中のわだちをひたすら見失わないように走ります。土漠では携帯もつながらないので自分の位置が分かりませんし、救助も呼べません。迷っても、車が故障しても生死に関わります。

 到着しても、トイレはありませんし、安全柵もありません。政府が観光地として売り出している場所で、ここまでのスリルを感じる場所はそうそう無いでしょう。ただし、私にとっては景色は壮大で、その価値はあった場所でした。観光はサウジが最優先して整備している産業ですので、かなり近い時期に安全に観光できるようになると思います。

真の大自然を体験できる?「エッジ・オブ・ザ・ワールド」
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サウジの歴史的遺産の「マスマク城」
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