広範かつ強固な海外ネットワークを持つMUFG。本コラムでは、世界各地の拠点責任者・駐在員が、現地の生情報をリポートする。今回は、中国の山東省・青島である。中国国内における経済発展競争もあって、山東省は現在、外資企業を含めた企業誘致に積極的に取り組んでいる。日本企業にとっては、大きなチャンスともなり得る。現地の最新状況をリポートする。(DeCom編集部)

中国・山東省最大の経済都市、青島市(出所:中国青島市)
中国・山東省最大の経済都市、青島市(出所:中国青島市)
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国家並みの経済規模を誇る山東省

 MUFGバンク(中国)青島支店が管轄する山東省は、人口1億人以上、GDP(国内総生産)は約1兆ドルとインドネシア並みの経済規模を誇り、コロナ禍に見舞われた2020年も中国平均を上回る3.6%の成長を遂げた成長途上の省です。資源に恵まれ「食料(野菜・果物・水産品の生産量中国1位)・綿花(糸の生産量中国1位)・油(勝利油田は中国2位の石油埋蔵量)の倉庫」といわれています。この豊富な資源を生かして、食品や衣料、石油、鉄鋼、アルミ、化学品などの重工業が発達し、日本企業もそれに関連する業種の進出が多いことが特徴です。

都市間で競争する日本企業の誘致

 一方で、近年は国内のライバルである広東省や、江蘇省、浙江省などと比べるとGDPの成長スピードが鈍化しており、2019年には人口流出人数が最大の省となりました。そこで、省政府は経済発展の中心を従来の旧型産業からハイテク産業など成長率の高い産業への転換を図り、外資企業を含め省内各市が積極的に企業誘致を行っています。地理的、歴史的、経済的につながりが深い日本に対しては特に積極的で、多くの市が誘致政策を打ち出し、日中産業パークを設立するなど、今までにない多くの優遇策を提供しています。

 こうした地方政府のバックアップや優遇策を詳しく見ていくと、日本企業にとっては大きなチャンスだといえます。ただし進出の際には、地方政府が出すたくさんの政策を研究し、それが自社ビジネスと合致していることと、その政策が将来成功するのかどうかを冷静に見極めることが重要です。

2020年に設立された「青島日本国際ビジネスハブ」。山東省各都市がこのような日中産業パークを開設している(出所:中国青島市)
2020年に設立された「青島日本国際ビジネスハブ」。山東省各都市がこのような日中産業パークを開設している(出所:中国青島市)
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儒教の故郷、山東省人の気質とは

 山東省人は真面目、誠実で優しく、とても仕事がやりやすく感じます。この気質は孔子や孟子の出身地、儒教発祥の地として、その文化が色濃く残っているからといわれ、当人たちもそれを意識しているように感じます。また「好客山東」といわれ、おもてなしも大好きです。地方出張をすると、たとえ取引が無くとも、食事や宴会が当然のように用意されていることもあります。

宴会と白酒文化

 宴会での料理は、中国4大料理の1つである山東料理(魯菜)と、お酒は「白酒」(主にコウリャンを原料としたアルコール度の高い蒸留酒)が基本となります。宴会にはルールがあります。まずホストのトップが、進行を見ながら3回(宴会によって回数は違います)全員で乾杯、次に次席の人が同様に3回乾杯、その後は個人戦(?)に突入し、最後にゲストのトップが乾杯をする(その頃はもはや記憶が無いことが多いのですが)というのが大体のルールです。1人で飲むのはマナー違反で、必ず誰かと乾杯します。でも、お酒が飲めなければ、そこは優しい山東省人なので、ジュースなどで大丈夫です。

海鮮料理は自分で食材を選び料理方法を指定する(左)、右は青島地元の「白酒」
海鮮料理は自分で食材を選び料理方法を指定する(左)、右は青島地元の「白酒」
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