(1)会社と自宅の間の通勤路で朝夕10分早歩きする

 多少遠回りになっても、公園など自然と触れ合えるルートを選んで歩きながら、「今日はまずこれから片付けよう」「あの時こう言った方がよかったかな」などとその日の仕事に思いを巡らせながら歩いていると、不思議と頭の中が整理され、突然いいアイデアが浮かんだりします。その場で書き留めないとせっかくのアイデアを忘れてしまうので、私は小型メモを持ち歩いて活用するようにしています。

自宅と会社の通勤路(右手が支店ビル)
自宅と会社の通勤路(右手が支店ビル)

(2)オフィス内を巡回する

 オフィス内の同僚たちとのフェース・トゥ・フェースのコミュニケーションを少しでも多く確保するため、時間を見つけたらオフィス内を歩き回り、特に普段話をする機会のない人たちに声をかけるようにしています。雑談を通じて心の距離が縮まるだけでなく、問題の発見や課題解決のアイデアが得られることもあります。昼食後ちょっと眠くなった時にやると、眠気も覚めるので、うまくいけば一石三鳥です。

(3)買い物の途中を散歩にする

 私はドイツ人以上の大の車好きですので、ともすれば車で郊外のショッピングセンターに乗り付けてしまいがちなのですが、近所の行きつけのスーパーに妻と一緒に出かけるときは、二人でのんびり話をしながら散歩するようにしています。途中であえて公園や川べりを通るよう遠回りすることもあるのですが、小さな子供たちが楽しそうに遊んでいるところや、ウサギやリスが目の前を駆けて行くのに出くわすと、仕事のストレスがすっと消えて、気持ちが軽くなるのを実感します。家族と一緒に過ごす時間としてもなかなか良いものです。

買い物の途中。右手前にあるのがよく利用する百貨店
買い物の途中。右手前にあるのがよく利用する百貨店
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 この3種類の散歩によって、私が生産性の面でドイツ人に近づけているかどうかは、神のみぞ知る、なのですが、仕事に追われたり、車に頼ったりしてほとんど運動する機会を持てていない私にとって、これらの散歩は少なくとも運動不足の解消には大いに役立っているはずです。散歩の時に私が常に持ち歩いている前述の小型メモが、たくさんのいいアイデアで溢れてきたら、生産性向上の証拠としてまたこのコラムでご紹介させていただきたいと思います。そうなる日が来ることを信じて、ドイツ在任中はドイツ人の散歩好きのまねをしつこく続けてみようと思っています。

新型コロナウイルス禍におけるデュッセルドルフのコロナテストセンター
新型コロナウイルス禍におけるデュッセルドルフのコロナテストセンター
奥村 信一(おくむら しんいち)氏 MUFG Bank Europe N.V.ドイツ総支配人兼支店長
奥村 信一(おくむら しんいち)氏
MUFG Bank Europe N.V.ドイツ総支配人兼支店長
1970年生まれ。埼玉県出身。93年に三菱銀行(現三菱UFJ銀行)に入行。今回で4度目となるドイツ勤務のほか、国際審査部など海外業務に従事。その後トルコ現地法人に駐在の後、2020年3月から現職。
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