広範かつ強固な海外ネットワークを持つMUFG。本コラムでは、世界各地の拠点責任者・駐在員が、現地の生情報をリポートする。第16回は、新型コロナ禍に関連したタイ・バンコクの最新事情。タイ経済では、観光業や輸出産業などで緩やかな回復が見込まれる。(D-Com編集部)

バンコク市内にある新型コロナウイルスのワクチン接種会場
バンコク市内にある新型コロナウイルスのワクチン接種会場

 タイは2021年3月ごろまで新型コロナウイルスの第2波の抑え込みにうまく成功していましたが、4月以降は変異型コロナウイルス(デルタ株)の感染が急速に拡大しました。1日当たりの新規感染者数が増加して、7月には1万人近くに達したため、政府は7月12日から首都圏を中心とした行動制限の強化(ロックダウン)を実施しました。厳しい活動・移動の制限により、個人消費は落ち込み、好調であった輸出にも打撃を与えました。ただし、厳しい制限と順調なワクチン接種が功を奏し、コロナ感染は8月中旬にピークアウト。タイ政府は9月以降、夜間外出規制や在宅勤務の推奨などは残るものの、緩やかに規制緩和を開始しました。1日当たりの感染者も減少傾向にあり、10月以降はさらに規制を緩和、ワクチン接種を加速させて、11月以降の特定エリアにおける開国、つまりは、タイ入国者の隔離措置無しでの入国計画を進めています。

日本からのタイ入国も隔離措置無しへ

 タイ政府は、特定エリアとなる主要都市で2回目のワクチン接種率が70%を超えることを開国の条件としており、バンコクに関しては10月14日時点で495万人と、対人口比で見るとすでに約90%の進捗率です(ただし、バンコクの公表されている人口は約550万人ですが、流動人口を入れると800万人といわれています。バンコクでの1回目接種者を790万人としていることを鑑みると、実際の2回目接種率は62%程度という見方なのかもしれません)。日本からのタイ入国はコロナ拡大以降、タイ入国時に隔離措置制限(現在は従前の14日間から10日間に短縮、2回のワクチン接種完了者は7日間)となっていました。一方で日本への一時帰国を断念していた日本人も多く、11月の隔離措置無しのタイ開国に期待をかけています。

バンコク市内に設置された新型コロナ対応のための「野戦病院」 (出所:タイ政府Facebookページ)
バンコク市内に設置された新型コロナ対応のための「野戦病院」 (出所:タイ政府Facebookページ)