広範かつ強固な海外ネットワークを持つMUFG。本コラムでは、世界各地の拠点責任者・駐在員が、現地の生情報をリポートする。第17回は、ニュージーランド・オークランドの日本との関わりと、新型コロナなどを含めた最新事情を報告します。(D-Com編集部)

ニュージーランドの北島北部にある主要都市、オークランド
ニュージーランドの北島北部にある主要都市、オークランド
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ニュージーランド・オークランドの国勢情報・環境

 ニュージーランドといえば、『人口よりも羊が多い国』『大自然豊かな国』、そんなイメージを持たれると思います。そのイメージ通りニュージーランドは酪農大国で、世界の乳製品貿易の主要プレーヤーであり、そのほか農業・林業・漁業などの一次産品は、安全性や品質への信頼性から国際的に高い評価を得ています。ワインもその一つで、生産量は世界の1%にすぎないながらも近年その人気は高く、日本人醸造家の方々も活躍されています。

 これら良質な一次産品をより積極的に海外展開していくことを企図し、近年ニュージーランドはアジア・太平洋地域諸国を中心に、積極的に自由貿易協定(FTA)などの締結に向けた取り組みに尽力しています。

 また、日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、ニュージーランドのビジネス環境は世界でもトップクラスです。世界銀行によるビジネス環境ランキングで4年連続1位を筆頭に、各種機関が発表するインデックスでは、ビジネスの環境や透明性、また治安面でのランキングでニュージーランドは軒並み上位に名を連ねています。

現地における日系企業の状況

 日本は、ニュージーランドにとって輸出・輸入ともに第4位の貿易パートナーで、対日輸出は、先に述べた一次産品や南島南端で精錬されるアルミニウム、輸入では中古車を含む自動車や一般機械が主な品目となっています(ニュージーランド統計局貿易統計)。

 日系企業の進出社数は推定約120社、約半分が販売会社です。一方で日本からの対ニュージーランド直接投資残高の業種別内訳をみると、木材・パルプが1453億円と33%を占め、日本からの木材・パルプセクター向け海外投資では、中国・タイに続いて第3位の残高となっています(日本銀行統計)。2020年の日系企業による最大の投資案件は、新生銀行による地場大手ノンバンクの買収で、その投資金額は約470億円でした。

 最近では水素を含む再生可能エネルギー分野への投資が注目を集めています。現在、ニュージーランドの電源構成は水力を中心に再生可能エネルギーが約80%を占めています。政府はこれを2035年までに100%にすることを発表しており、それを目指すためのさまざまなプロジェクトがスタート、地熱・風力・水素関連の案件への日系企業参画の動きが顕著です。ニュージーランド貿易経済促進庁と弊行が今年6月に開催した再エネ・インフラをテーマにしたセミナーにおいても、高い関心がうかがわれ、通常以上の参加・問い合わせを頂きました。