消費者庁は12月6日、小売電気事業者(新電力)のファミリーエナジー(東京都中央区)に対して、特定商取引法違反で3カ月の一部業務停止、実質経営者である米国在住の男性に3カ月の業務停止を命じました。2019年を振り返ると、4月に新電力あくびコミュニケーションズ(東京都渋谷区)が同じく特商法違反で業務停止に。さらに5月には、新電力エレトス(東京都港区)の代理店幹部が特商法違反で逮捕されました。
 新電力事業を営む中で感じる疑問を監視委員会に解説してもらう新連載。初回は新電力営業で法的に禁じられているのはどういった行為なのか、3社の事例を踏まえ、電力・ガス取引監視等委員会取引監視課の遠藤光課長、栗島宜郎課長補佐、長窪芳史課長補佐に解説してもらいました。

--消費者庁はファミリーエナジーとあくびコミュニケーションズを特商法違反で業務停止としました。特商法は何を定めた法律なのでしょうか。

監視委 特商法は所掌外なので、あくまで一般的な内容を紹介します。特商法は訪問販売や電話勧誘販売、通信販売など消費者トラブルが起きやすい取引方法を対象に、事業者が守るべきルールと、クーリング・オフなど消費者保護のルールを定めたものです。

訪問営業や電話勧誘を行う場合は注意が必要だ
(出所:PIXTA)

 小売電気事業者(新電力)が代理店を使って、訪問販売や電話勧誘を行う際には留意すべき法律です。

 例えば、訪問時や電話勧誘時には、勧誘に先立って、事業者の名称、その目的、販売しようとする商品の種類を伝えなければなりません。大手電力会社の社名を名乗ったら、その時点でアウトです。そのほかにも、書面の交付義務や不実告知など、各種の行政規則が定められています。

--電気事業法でも営業時のルールを定めているのでしょうか。

監視委 電気事業法では大きく2つの規定があります。「説明義務」と「書面交付義務」で、いずれも「電力の小売営業に関する指針」 で詳細に解説しています。

 小売電気事業者の名称も説明義務の対象となる事項ですので、代理店などが営業する場合、電力を供給する小売電気事業者名を伝えなければなりません。大手電力会社をかたって営業をすれば問題となります。料金メニューなど料金や料金の算定方法も説明事項の1つです。

 説明の方法は口頭には限らずインターネットなどを利用してもかまいませんが、需要家に分かりやすい記載をしたり、需要家が理解したことを確認するなど、適切な対応を取る必要があります。書面交付義務についても、事業者名や料金の中身など記載しなければならない事項が法令で定められています。

--今回、ファミリーエナジーが業務停止になったのはなぜなのですか。

監視委 消費者庁による処分ですので当委員会がお答えすることはできません。消費者庁が公表した資料によれば、今回の業務停止の主な理由は、特商法の氏名などの明示義務違反、書面の交付義務違反、重要事項の不告知とされています。

 訪問時や電話の際に勧誘に先立って勧誘目的を明らかにしなかったことや、キャンペーン期間終了後に市場連動型料金になることを故意に伝えなかったことなどが認定されており、特商法違反があったという認識です。

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