7月21日開催「残された時間は1年半、容量市場対策の実務ポイント ~勝ち組新電力に学ぶ、対応フローと電源調達の具体策~」
2024年度に始まる容量市場。対策を怠れば、そも負担額が新電力の経営を圧迫します。他方、やり方によっては影響をほぼゼロにすることも可能です。早くも負担軽減対策にめどをつけた新電力の実例を基に、容量市場対策の具体的なやり方を解説します。詳細・申し込みはこちらから→https://nbpm.jp/keieijuku0721

 大詰めを迎えている容量市場のルール改定だが、新たなルールの中には首をかしげるものがある。その1つが、デマンドレスポンスの約定方法だ。資源エネルギー庁は、入札量が上限を超えた場合に落札者を「くじ引き」で決めるという新ルールを検討している。

 脱炭素を進めていくうえで、再生可能エネルギーに並ぶ重要な電源が「デマンドレスポンス」(DR)だ。

 電力需要が急増するタイミングで、火力発電などで発電量を増やすのではなく、工場の生産設備の稼働を落として需要を減らしたり、企業が所有する自家用発電機を稼働させることで電力需給を調整する。電気自動車(EV)や蓄電池に充電した電力を放電させる方法もある。

 DRによる柔軟な需給調整は、脱炭素時代の電力システムには欠かせない。再生可能エネルギーを増やし、老朽化した火力発電を休廃止していく過程で、「たまにしか動かない老朽火力」の代替となるのがDRだ。

 ただし、DRを増やしていくためには、生産設備や自家用発電機、蓄電池などを所有する企業の理解を求めるとともに、インセンティブを設定していくことが欠かせない。このための手法の1つが、既に活用が始まっている「調整力公募」(電源Ⅰ’)と2024年度に運用開始する「容量市場」だ。

 ところが現在、資源エネルギー庁が進めている容量市場の制度見直しは、企業のDR参画意識に水を差す内容になっている。

DR入札量が上限を超えたら、落札者をランダムに決定

 容量市場は2020年9月に実施した初回入札の約定価格が、上限価格より1円安い1万4137円/kWを付けた(「容量市場1兆5987億円の衝撃、電気料金値上げ不可避か」)。これほどの高値となったのは、老朽化し維持運用費用が高額な石油火力などが多数応札したためだ(「容量市場を高騰させた石油火力、戦略的予備力に切り替えるべき」

 制度の不備を指摘する声が多方面から噴出したことで、資源エネルギー庁はルール改定を進めている。だが、今秋に第2回(2025年度分)の入札を実施するため、根本的な課題の検討はせず、微修正にとどまっているのが実情だ(「容量市場の見直しは“微修正”止まり、根本課題にはノータッチ」)。

 しかも、新たに追加しようとしている新ルールには不可解なものもある。それがDRの落札者決定方法に追加される「ランダム選択」である。

この先は日経エネルギーNextの会員登録が必要です。日経クロステック登録会員もログインしてお読みいただけます。

日経エネルギーNext会員(無料)または日経クロステック登録会員(無料)は、日経エネルギーNextの記事をお読みいただけます。日経エネルギーNextに関するFAQはこちら