独立系新電力のトップを走ってきたF-Power(東京都港区)。2018年4月に新電力トップに躍り出るも、2018年6月期決算で120億円の赤字となった。それから1年。今期の業績、そして債務超過は――。電力市場からの調達に重きを置く同社の行方は、多くの新電力にとって経営を占う試金石でもある。F-Powerの株主であるIDIグループを率い、現在はF-Power代表取締役会長兼社長を務める埼玉浩史氏に聞いた。

――2019年6月期決算について聞かせてください。

埼玉氏 2019年6月期決算は180億円の赤字で、二期連続の赤字となりました。今期も夏場と冬場の電力市場価格の変動によるところが大きく、端境期の損失はわずかです。

 市場高騰へのヘッジとして大手電力の卸供給を利用していますが、これが裏目に出た面もあります。冬場は市場価格が安かったので、30億円ほど余計にかかってしまいました。市場高騰へのヘッジをかけたものの、ヘッジコストが高く付きすぎました。

 今回、創業以来、初めて債務超過に陥りました。当社は6月決算なのですが、6月末時点の債務超過額が約80億円。そこで、9月30日の株主総会までに債務超過を解消すべく約80億円を調達しました。

――F-Powerへの出資を検討している複数の企業名が一部で報道されました。最終的な出資企業は。

埼玉氏 9月末までに債務超過を解消するという至上命題があったので、結果としてIDIグループから調達しました。主な出資企業は3社で、IDIの投資先である発電所(発電所を保有する特別目的会社)、電力トレーディング会社、投資ファンドからです。いずれもF-Powerと密接な関係を持って事業を進めており、事業継続にはF-Powerが不可欠です。

 かなりの数の会社とコンタクトを持ったのは事実ですが「確実にうまくいく会社でないと投資できない」というところが多かったですね。エネルギービジネスに知見がないと、時間軸を長く見なければいけないという特徴を受け入れるのは難しいという面もあるようです。

 IDIグループによる出資で債務超過は解消したのですが、今後の事業拡大のために、もう少し資金調達したいと考えています。そこで現在は、同業者を含めてエネルギー事業に高い関心を持っている複数の企業と話をしています。あと20億~30億円をめどに検討していきます。

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