政府は2月25日、「強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案」を閣議決定しました。この法律案には、電気事業法やFIT法など複数のエネルギー関連の法律が含まれています。今回は、この中からFIT法の抜本改正の内容を西村あさひ法律事務所の川本周弁護士に解説してもらいました。

(出所:PIXTA)

【質問1】 FIT法(電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法)改正のスケジュールを教えてください。

【回答】 閣議決定された法律案は、現在開会中の2020年の通常国会での成立を目指しています。2011年のFIT法の制定当初に、2021年3月31日までの間に「この法律の抜本的な見直しを行うものとする」との附則を盛り込んだため、2020年度中に抜本的な見直しをすることがあらかじめ決まっていました。ただし、施行日はもう少し先、約2年後の2022年4月1日の予定です。

【質問2】 今回のFIT法改正の主要な変更点は。

【回答2】 発電ビジネス側から見た場合の主な変更点は、①フィードインプレミアム(Feed-in Premium: FIP)制度の導入、②再エネ発電設備の廃棄費用の積立制度導入、③長期未稼働案件の認定失効制度です。

 また、FIT制度に加えてFIP制度が導入されるため、法律の正式名称が変わります。現在のFIT法は「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」というのが正式名称で、電力会社による再エネ電気の買い取りというFITの仕組みを前提にした名称でした。

 改正後、法律名は「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法」に変更となります。「FIT法」という呼び方に慣れ親しんできましたが、改正後の法律をFIT法と呼ぶのは正確ではありません。ここでは「再生可能エネルギー特別措置法(再エネ特措法)」と呼ぶことにします。

【質問3】 FIP制度はプレミアムの算定方法によって制度の性質が変わるようですね(「FIT廃止が招いた誤解と混乱、次制度はFIPで決まり?」参照)。改正法案では、プレミアムをどのように決めるのでしょうか。

【回答3】 改正法案は、再エネ事業者が再エネ電気を卸電力取引市場で売却するか、相対取引で売却することを前提に、①あらかじめ定めた基準価格(FIP価格)と、②市場価格に基づく参照価格の差額を単価として売電量に応じてプレミアムを交付するという差額変動型のFIP制度が予定されています。

 プレミアムは「供給促進交付金」という名称が付けられ、①基準価格と②参照価格の差額に基づく単価に、卸電力取引市場・相対取引で供給した電力の量を乗じて計算します。基準価格(FIP価格)は、発電側から見ると市場価格とプレミアム単価の合計額となり、収入の目安となる重要な金額です。

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