かねて課題として認識されながらも曖昧にしてきた太陽光発電設備の廃棄処理が、ようやく制度議論の緒に就いた。資源エネルギー庁に設置された新たなワーキンググループ(WG)での議論を紹介するとともに、小売電気事業者への影響を解説する。

 2012年7月に固定価格買取制度(FIT)が施行されて以来、日本全国津々浦々に膨大な量の太陽光発電設備が導入されてきた。

 20年の買取期間終了後は、太陽光パネルや架台、基礎などが続々と廃棄されるだろう。しかも、太陽光パネルには鉛やセレンなどの有害物質が含まれており、その処理には細心の注意が必要だ。だが、廃棄処理については十分な対策が取られているとは言い難い。

 そもそもFIT法では制度創設以来、10kW以上の太陽光発電設備のすべてについて、調達価格の中に資本費の5%が「廃棄等費用」として計上されている。しかも2018年4月以降、発電事業者には廃棄等費用の積み立てが義務化されている。

 しかし、2019年1月末時点で資源エネルギー庁が調査した定期報告によって、約8割の事業者が廃棄費用の積立を実施していないことが判明した。

 発電事業者が廃棄費用を積み立てていない理由は、積み立て方法に定めがなく事業者の自主性に委ねている点が大きい。とりわけ買取価格が高い時期の太陽光は20年間の事業期間中にキャッシュフローが潤沢になることを見越しているのだろう。実際、買取価格が40円/kWhの案件などであれば、撤去費用などを十分に拠出できるはずだ。

 だが、すべての案件で廃棄・撤去費用を事後にねん出できる保証はない。FITの買取価格に廃棄費用が織り込まれていることを勘案すれば「積み立てていませんでした」で許される話でもない。廃棄費用が不足し、発電事業を終了した設備が放置されたり、不法投棄されたりする事態は避けなくてはならない。

 そこで政府は、廃棄費用の積み立てを制度的に担保する仕組みの検討に本腰を入れ始めた。

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