自然災害に伴う停電が頻発している。2019年は台風15号によって千葉県で大規模な停電が発生。続く台風19号も各地に浸水被害などをもたらし停電が発生した。停電からの復旧は大手電力の送配電部門(一般送配電事業者)が担うが、新電力が果たすべき役割とは何か。制度で定められた役割を整理するとともに、望ましい対応について考えてみたい。

 この度の台風15号および台風19号で被災されました皆さまに心よりお見舞い申し上げます。この数年、地震に加えて豪雨や台風と気候変動の影響も激しさを増すばかりである。そのたびに必ず出てくるのが、電気設備の損傷などによる停電の発生である。

 日本の電力事情を語るときに欠かせないのが、諸外国と比べた停電時間の短さである。資源エネルギー庁のWebサイトによると、東日本大震災が発生した2011年を除き、需要家1軒当たり平均で年間20分程度となっている。他国をみると、米国はバラツキが大きいが100分超、フランスは67分、英国は73分といずれも日本と比べて長いことがわかる。ドイツだけは20分と日本と同水準だ。

 大手電力の中には、安定供給の実績として年間の停電回数・停電時間をWebサイトに掲載しているところもある。各社の平時の保守保安業務の質の高さ、そして災害復旧時の現場対応が生み出した結果であり、毎度、頭が下がる思いだ。

 今年の台風15号および19号においても、社内外への連絡や体制整備、機材準備、地域住民への情報発信などで課題は浮き彫りになったものの、大手電力各社が連携し、現場対応に当たった姿には感謝してもしきれない。

停電対応は一般送配電事業者だけが負うべきなのか?

 災害時の停電復旧と聞いてまず思い浮かぶのは一般送配電事業者である。送配電網の建設・保守、需給バランス維持のための電力系統運用といった役割を経済産業大臣の認可の下、地域独占で担う立場であり、停電時の復旧対応を行うことに違和感はない。

 現に、今回の台風15号および19号に際しても、経産省をはじめとする政府各機関との連絡体制の構築や被害状況の情報収集、需要家への情報発信、現場復旧作業、政府や経産省との調整、需要家からの問い合わせ対応などをしたのは、東京電力パワーグリッド(PG)などの一般送配電事業者であった。

 2019年9月の北海道ブラックアウト後に資源エネルギー庁が設置したレジリエンスWG(総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 電力・ガス基本政策小委員会/産業構造審議会 保安・消費生活用製品安全分科会 電力安全小委員会 合同 電力レジリエンスワーキンググループ)でも、第5~7回会合で今年の台風への対応が報告されたが、一般送配電事業者の取り組みが大半を占めた。

 では、停電対応は一般送配電事業者だけに課せられるものなのであろうか。

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