全国各地で再生可能エネルギーを活用した地域振興を実現しようとする動きがある。これに呼応するかのように、2020年度以降に実施される新たな電力制度の中には、エネルギーの地産地消を促進しうる措置もある。再エネに取り組もうとする地域は今、何を考えるべきなのか。今回は首長の意思と実施主体となる地域新電力が不可欠な理由を解説する。

(出所:Adobe Stock)

 今後、世界の発電設備の増加量の大半は再エネが占める見通しだ。再エネのメリットは、国産でCO2を排出しないこと。課題のコストも、普及に伴い大幅に低下しており、世界では火力発電など既存の大規模電源と遜色ない水準になってきた。こうした背景から、普及に一層拍車がかかっている状況だ。

 日本は降雨量が多く、火山国で、森林資源が豊富である。また海岸線が長く、領海が広い。再エネ賦存量が非常に多く、太陽光を含めて、どこにでも何らかの自然資源が存在する。エネルギー政策の転換に時間を要しており、再エネ電源の普及やコスト低下が遅れているが、それは今後伸びる余地が大きいという意味でもある。

 そして、再エネ賦存量は都市部よりも地方に、より多く存在する。これを活用した地域振興には大きな可能性がある。地域内に設備投資が増えることで雇用や税収が期待でき、技術・ノウハウ蓄積などの好影響もある。再エネ電気の地域消費が進めば、域外からの電力購入費用が減り利益が滞留する。環境面や防災面のメリットもある。

 それだけではない。いまや再エネ電源の多さは企業誘致の切り札にもなり得る。事業に使用する電力を再エネ100%にする国際イニシアティブの「RE100」や、2050年ゼロエミッションを目標に掲げる「SBTi」(Science based Targets initiative)を標榜する企業は増加の一途だ。多少なり価格が高くてもCO2フリーの再エネ電気が欲しいという企業が間違いなく増えている。

 グローバル企業の中には、再エネ調達が容易なところに工場などの拠点を立地しようと動いているところもある。再エネ賦存量が豊富な地域、再エネ電気を調達しやすい地域 は企業誘致上、優位になる。

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