衝撃的な容量市場の価格公表から1カ月余りが過ぎた。この間に2回開催された有識者会議などを通して、わずかずつだが検証が進みつつある。なぜ、高騰したのか。これまで公表された事実から、その背景を読み解く。

(出所:Adobe Stock)

 日本初の容量市場メインオークションの約定価格が、応札上限価格の1万4137円/kWとなったのはなぜなのか。

 資源エネルギー庁の制度検討作業部会では、「売り惜しみ」「価格つり上げ」がなかったかどうかや、「経過措置と逆数入札」の影響、オークションの約定方法、そして、そもそもの需要曲線の設定方法など、多方面からの検証が始まっている。

 9月17日の約定結果発表直後の会合では電力・ガス取引監視等委員会から、「売り惜しみ」などの問題行為はなかったことが報告された。これに続く10月13日の会合で、委員やオブザーバーからの要請に応じて、より詳細な監視結果が報告された。

 供給力の価値をオークションという市場メカニズムを用いて取引するのは、需要と供給のバランスから、適切な容量価格を発見することが大きな目的だったはずである。今回、はたして適切な価格を発見できたのか否か、現時点までの作業部会報告に基づいて検証してみたい。

 まず、容量市場メインオークションの需要曲線と供給曲線を図1に示す。「経過措置」を踏まえた約定総額は1兆5987億円であった。「経過措置」についてはオークション検証の中心的な論点であるため後述する。

約定総容量は1億6769万kW
図1●容量市場メインオークションの需要曲線・供給曲線(出所:資源エネルギー庁)

誰が「売り惜しみ」をするのか

 メインオークション結果の1つとして広域機関は、登録した期待容量よりも小さい容量で応札した電源や、期待容量は登録したものの応札しなかった電源が少なからず存在したことを報告している(表1)。約定総容量が1億6769万kWだった中で、期待容量に比べて入札量が計2002万kW少なかったことは約定価格に一定の影響を与えた可能性がある。

期待容量より2000万kW少なかった応札容量
表1●期待容量と応札容量の関係(出所:電力広域的運営推進機関)

 監視委員会によると、登録した期待容量よりも小さい容量で応札した電源(仮に「縮小応札電源」と呼ぶ)、217件・535万kWの内訳は表2のとおりだ。

計画停止や休廃止、FIT認定予定などが理由
表2●期待容量よりも小さい容量で応札した電源(出所:電力・ガス取引監視等委員会)

 監視委員会はこれら全ての電源について、事業者からの説明や根拠資料(稼働実績、工事計画書やFIT認定書など)を確認した結果、問題となる事例は認められなかったとしている。

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