2021年は正月早々、新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言の話題で持ち切りだが、電力業界でも異常な事態が起きている。卸電力価格が過去にないレベルで急騰しているのだ。背景にはLNG(液化天然ガス)など火力発電の燃料供給に関する制約がある。

米国から日本向けのLNG運搬船の多くが利用するパナマ運河(出所:Adobe Stock)

 昨年12月下旬から価格が高騰する状態が続いていた(「年明けも続く? 長引く電力市場の異様な高騰」)。年が明けてからも連日の最高値更新が続いている。

 1月6日受け渡しの日本卸電力取引所(JEPX)のスポット市場(前日市場)は、全国24時間平均(システムプライス)が79.38円/kWhを記録。さらに、1月7日受け渡しは89.82円/kWhと最高値を更新した(図1)。朝6時から23時ごろまで100円/kWhに張り付いている(図2)。

 これまでにもJEPXのスポット価格が高騰することはあったが、今回の水準は明らかにこれまでとはレベルが違う。JEPX調達比率が高い新電力にとって、事業 の存続に関わる死活問題である。しかも、詳細は後述するが、この状況は2月に入るまで続く可能性がある。

図1●JEPX システムプライス24時間平均値の推移
(出所:JEPXデータより著者作成)

図2● 1月7日受け渡しのシステムプライス
(出所:JEPX)

 価格高騰は需給のひっ迫によって起きている。 既に、関西電力送配電は12月27日に2回、東京電力パワーグリッドは1月3~4日にかけて3回、電力広域的運営推進機関に対して緊急融通の指示を要請している。

 なぜこんな事態になったのか。要因の1つは、寒波による冷え込みである。確かに12月下旬から年明けにかけて平年並みの気温を下回る日が多かった。

 しかし、過去に例がないほどの気温低下というわけでもなく、電力需要が過去最高水準まで高まったということでもない。需要側の要因だけで価格高騰を説明するには無理がありそうだ。

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