停止火力の増加が暗示する供給力の不安定さ

 九州電力エリアでは、2016年10月に定期検査に入った川内原発1号機(89万kW)が今年1月に、同2号機(89万kW)が3月に復帰。これらの営業運転に合わせて、豊前1、2号機(石油火力50万kW×2基)を2020年度に停止させる。そのほか、苅田新2号機(石油火力37.5万kW)を今年5月に、相浦1、2号機(石油火力計87.5万kW)を2018年度に廃止する計画が決まっている。

 いずれも燃料は重油や原油で、合計出力は225万kWになるが、これらの調整が太陽光由来の出力で想定外の展開になっている可能性がある。

 5月の九州エリアの需給状況は、太陽光発電の出力が大きく、需要の7割近くを太陽光発電で賄ったとみられる日もある。ある意味、他の発電設備の電気は追いやられる事態だ。ゴールデンウィーク(GW)には太陽光発電に対して出力抑制指示が出されたとの報道もあったが、太陽光に続いて風力発電などの出力抑制も現実味を帯びる。

 そこで、前回も掲載した火力発電の停止量(実績量と計画量)の最新のグラフを参照されたい。

昨年夏より停止火力は増加
停止中火力発電設備の積み上げグラフ[2016年4月~2017年8月](出所:JEPX発電情報公開データを基に日経エネルギーNext電力研究会が作成)

 今年の5月は昨年の同時期に比べて停止電源の残高が減少するスピードが速かったことがわかる。定期点検をGW中心に行い、GWが明けると一気に電源を復帰させたようだ。

 一方で、8月下旬までの推移(計画)を観察すると、今夏の停止火力は7月半ばに底入れし、昨年と同様、8月下旬から本格的に反転するようだ。

 しかしながら、今年は昨年に比べて底入れの深さが浅い。より細かく見ると、中部電力と関西電力が昨年より停止量を積み増している。その一方で、九州電力はこの8月の停止はゼロの計画だ。

 中部電や関電は、市場価格が低めに推移する中で、停止させやすい(=動かしづらい)電源を積極的に停止する計画を立てているのではないか。夏に向けてさらに停止火力残高が積み上っていくことも考えられる。

 一方、九電は出力調整できない原子力が稼働することを前提に太陽光由来の発電量の変動を考慮したとき、火力停止の予定を立てにくくなっているのではないか。そのため、まだ火力電源に関する停止電源の計画が未反映となっている可能性を感じる。

 これらが示唆するこの夏のJEPX相場はいかなるものか。