大規模なシステムの開発では、システムの稼働日やテストに必要な期間から逆算した一定のタイミングで、仕様の変更を打ち止めにすることが多い。五月雨で発生する仕様変更に伴う開発作業の手戻りなど、プロジェクト全体のスケジュール遅延につながるリスクを排除するためである。ところが、広域機関システムの開発プロジェクトでは、計画系機能の仕様変更の凍結時期が2カ月延期された。この段階で信号は黄色から赤色に変わろうとしており、その後、2015年秋にはクッキリと赤信号が灯った。

 設立準備組合を経て広域機関が発足したのは2015年4月1日。大手電力からの出向者などが集まり、ようやく8月末から広域機関の業務フローの検討を始めた。

 システム開発において、業務フローが固まっていないということは、何も決まっていないに等しい。案の定、広域機関システムの開発プロジェクトでは検討結果を踏まえたシステム仕様の大掛かりな変更や追加が9月以降に多発し、仕様変更は最終的に2016年1月まで続いた。

凄惨を極めた開発プロジェクトは現在も続いている
「広域機関システム」の開発経緯