送配電事業者への支払い単価も減っている

 そこで、図1に示した取引構造を前提とし、公表資料から得られるデータに基づいて各社のP/Lを整理、分析し直した。表3は分析の前提条件で、電力量についてはすべて「使用端」にそろえて議論を進める。

販売量も発電量も減らしている
表3●東電グループの損益計算書を分析した際の前提条件と情報源

 そしてその結果として、東電グループ各社のP/Lと電力量当たりの損益をまとめたものが下の表4だ。

東電PGへの支払い単価も減っている
表4●整理・分析した東電グループ各社の損益計算書(P/L)

 まず、営業利益が大きく減少している東電F&PのP/Lについてみてみよう。表4に示すように、kWh当たりの営業費用は2.8円/kWh下落(表4-⑦)しており、大部分は燃料価格の低下と減価償却の減少に起因するものと考えられる。

 一方で、kWh当たり売上高については4.0円/kWh下落(表4-⑥)している。売上高の下落幅はkWh当たり営業費用と比べると1.2円/kWh上回っている。このギャップが、東電F&Pにとって2000億円(1.2円/kWh×1788億kWh)程度の利益減少要因となっている。

 次に、東電EPのP/Lに目を移すと、調達の大部分を占める東電F&PからのkWh当たりの調達コストは前掲のように4.0円/kWh程度下落(表4-③)している一方で、kWh当たり売上高は2.8円/kWh(表4-②)程度の下落にとどまっている。

 さらに、主に託送料金で構成される東電EPから東電PGへの支払いについても、0.3円/kWh程度下落(表4-⑤)している。

 具体的には、託送電力量が73億kWh(表4-①)の減少に対して約1000億円のコスト減(表4-④)となっており、仮に託送料金の支払い減少が主な要因であると仮定すると、平均14.5円/kWhの託送料金がかかる需要家が離脱したという計算になる。平均的な小口需要の託送コストが10円/kWh前後であることを踏まえると、需要離脱による託送料金の支払い減少だけでは説明しにくい。

 一方で、東電EPから東電HDへの支払いに目を移すと、調達電力量にほとんど変化が無い状態で1500億円近く増えており、何らかの理由で東電EPが東電HDのコストを負担しているという状況がうかがえる。

 さて、以上のように電力量をベースにした単価の推移も合わせると、何が想定されうるだろうか。