下の表は、東電PGが公表している2016年度(2016年4月~2017年3月)のインバランス収支計算書である。ここには営業損失が409億3700万円(赤字)とある。これは主に、余剰インバランスの買い取り量136億6600万kWhが、不足インバランスに対するインバランス供給電力量(売り渡し量)66億7600万kWhを大きく上回っていることに起因している。

大きな営業損失が発生
東電PGのインバランス収支(出所:東電PG)

 東電エリア以外を含めて9エリアのインバランス収支をまとめたのが次の表である。

東電PGのインバランス買い取り量が際立つ
9電力会社のインバランス収支比較

突出しているインバランス買い取り量

 この表をみると、全面自由化が始まった1年間のインバランス収支は、東電PGの赤字が突出している。関西電力や九州電力など5社は黒字だ。インバランス供給量とインバランス買い取り量の差分をエリア需要量で除した比率も、東電PGは-2.6%と他社に比べて断然大きい。エリアの規模を考慮しても、インバランス買い取り量やそれに伴って発生するインバランス収支の赤字は大きいことが分かる。

 では、誰が東電エリアでこれだけ大量の余剰インバランスを発生させているのか。このエリアの電源の大部分を握っている(調達している)東電EP以外には考えられない。これほどの電気を常態的に大量に余らせることができる新電力など存在しない。
(編集部注:東電EPに2016年度のインバランス量について確認を求めましたが、同社から「競争上の観点から公表できない」旨の回答がありました)

 つまり、東電PGのインバランス営業損失の多くは、余剰インバランスの“売り上げ”として東電EPに移転されている構図が浮かぶ。しかも、先に触れたように東電PGが負担する需給調整費用(インバランス精算費用)は託送料金で回収される性格のものだ。