東京都内でスマートフォンを活用したタクシー配車サービスを展開するみんなのタクシー(東京都台東区)は、2019年9月の1日あたりの配車件数が対同年4月比で18倍以上、平均利用単価2755円(迎車料金込み)と順調に事業を拡大していると、11月5日に開催した事業説明会で明らかにした。

 みんなのタクシーが展開するタクシー配車アプリ「S.RIDE」は、タクシー会社5社が保有する1万台のタクシーネットワークから一番近い場所にいるタクシーをワンスライドで呼び出すことができる。サービス提供地域は東京都23区および武蔵野市、三鷹市。同社は、都内タクシー会社5社(グリーンキャブ、国際自動車、寿交通、大和自動車交通、チェッカーキャブ)と、ソニーおよびソニーペイメントサービスによる合弁会社である。

 2019年4月から配車事業、広告事業、決済事業を開始した。広告事業では、タクシー後部座席にタブレットを設置してIoTサイネージサービスを展開。9月の広告売り上げは対4月比で約4倍に拡大し、9月以降は満稿が継続中。決済事業では、ネット決済「S.RIDE Wallet」の9月の利用件数が対4月比で15倍以上に拡大し、ネット決済比率が約64%に達した。今後、2019年度内に多摩や横浜をはじめとした関東地域などのタクシー事業者と連携してS.RIDEサービスを導入する予定。また、高級車両を選択できる「車種指定サービス」や、他社の汎用QR決済も導入する。

 また、ソニーのAI(人工知能)やセンシング技術を活用したモビリティ領域への取り組みと連携を進める。大和自動車交通のタクシーに搭載されるドライバー用タブレットにソニーのAI技術を用いた需要予測アプリを導入。同アプリは需要予測のほか、乗車点予測、長時間乗車率、空車動態表示、おすすめルート表示、特需発生表示など、タクシー会社の稼働率や売り上げ向上に貢献する機能を有する。他4社のタクシーについても順次対応する予定。

 さらに、タクシーと同型の車両にソニーの各種センサーやLiDAR(光センサー技術)などを搭載して走行し、センシングデータや運転操作記録(アクセル・ブレーキ・ハンドル操作)を収集・解析して危険予測データベースを構築する。これらのデータから安全・安心スコアの算出、熟練ドライバーとの差分評価、危険検知をもとにドライバーへの警告や注意喚起を行う安全運転ツールを構築し、実際のタクシーに搭載して今後検証を行う計画。

 事業説明会と合わせてNTTドコモは、みんなのタクシーとの資本・業務提携契約を発表。ドコモのユーザー認証「dアカウント」やポイントサービス「dポイントクラブ」とS.RIDEを連携させる新たなビジネス協業、QR決済にドコモの「d払い」の導入、ドコモの国内人口分布統計(リアルタイム版)や数時間先の人数を予測する「近未来人数予測」を活用したより高度なタクシー配車サービスの開発などを検討していく。

 このほかにも、東日本旅客鉄道(JR東日本)がMaaS領域での事業提携、ゼンリンデータコム、帝都自動車交通などが資本業務提携を発表した。

タクシー配車アプリ「S.RIDE」の画面例(出所:みんなのタクシー)
──記事冒頭の写真:スマートフォンで広がる、タクシーへの技術活用(イメージ) original image: CRimages / stock.adobe.com