三井住友海上火災保険は2019年12月30日、2020年からドローンとAI(人工知能)を活用した水災損害調査を開始すると発表した。従来のように家屋1軒ごとに立ち会い調査することなく、広域にわたって家屋の被災状況を正確に把握でき、顧客への迅速な保険金支払いが可能になるという。

 これまでも同社は、近年、自然災害が大型化・頻発化するなかで1日も早い保険金支払いに向けて、スマートフォンを活用したビデオチャットによる遠隔立ち会い調査など、デジタル技術を活用した損害調査を行ってきた。一方、水災では、家屋の査定に熟知する専門調査員が1軒ごとに立ち会い調査する必要があり、迅速かつ正確な損害調査手法の確立が課題となっていた。

 今回発表した水災損害調査では、高精度に座標(緯度・経度)を特定できるRTK(リアルタイム・キネマティック)ドローンで上空から水災被災地域を撮影し、その画像をもとに正確な座標・標高の高精度な地表の3Dモデルを作成。さらに、AI技術の開発を手掛けるアリスマー(東京都港区)が保有するAI流体形跡アルゴリズムを活用してデータ解析することで、浸水高の正確な算出が可能になった。

 同技術により、立ち会い調査を行うことなく、建物の大半が水没して全損と判断できる地域を正確に特定できる。従来の手法では事故連絡から保険金支払いまで約1ヵ月程度要していた顧客の場合、最短で5日程度まで支払期間の短縮が見込まれる。また、高精度に浸水高を算定できるため、全損地域の特定以外にも活用していく予定だ。

──記事冒頭の画像:一日でも早い復興が、子ども達の笑い声を呼び戻す(イメージ) original image: travelers.high / stock.adobe.com