東日本大震災以降、地震や豪雨、台風といった自然災害に対する備えとして、災害情報共有システム(Lアラート)を通じて官公庁や自治体が発信する災害情報や避難勧告などをプッシュ配信する防災アプリや、GPSの位置情報を利用して最寄りの避難所の情報や避難経路を案内する避難支援アプリの機能が充実してきている。

 避難支援アプリについては、消防庁が2017年3月に「避難支援アプリに関するガイドライン」を取りまとめている。同ガイドラインでは、アプリの主な利用シーンとして「津波からの緊急避難」を想定し、避難支援アプリが搭載すべき機能として、プッシュ通知される津波情報の受信機能、利用者にアプリ起動を促すアラート機能、利用者の現在位置を表示する機能、現在地における危険性を表示する機能、現在地と避難先の位置関係を表示する機能、避難先の情報を表示する機能などを挙げている。

 また、国土地理院は、2018年10月から地図上に「土砂災害警戒区域」「洪水浸水想定区域」「津波浸水想定区域」を重ねて表示できる「重ねるハザードマップ」のデータ配信を開始。これらの情報をWebサイトやスマートフォンアプリから参照できるようになった。

 主な総合防災アプリとしては、ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントの「goo防災アプリ」、同じくポータルサイトであるヤフーの「Yahoo!防災速報」が挙げられる。いずれのアプリもLアラートで配信される避難情報、自治体からの緊急情報のプッシュ通知機能、近隣の避難所を検索できる防災マップ機能のほか、ポータルサイトの強みを活かして、平時にも使える防災コンテンツを充実させている。

 このほか、Lアラートやハザードマップを活用した避難支援アプリとしては、ファーストメディア(東京都千代田区)が開発する「防災情報 全国避難所ガイド」が挙げられる。同アプリは全国10万件以上の避難所データを収録するほか、スマートフォンの内蔵カメラを利用し、AR(拡張現実)画面に避難所や自宅の方向を表示する機能なども備えた。

 また、地方によっては、各自治体や地元のメディア・インフラ企業などが、それぞれの地域に特化した防災アプリを開発・配信している場合もある。代表的なものとしては、東京都の「東京都防災アプリ」、愛媛県の「愛媛県避難支援アプリ ひめシェルター」などがある。

──記事冒頭の画像:いざというとき、不安な手元を照らしてくれるスマートフォンの光(イメージ) original image: Maria_Savenko / stock.adobe.com