民間やNPOも積極的に取り組む

 こうした学校給食の未利用食材を有効活用する取り組みは、民間企業や非営利団体(NPO)でも行われている。例えば、ポケットマルシェ(岩手県花巻市)は未利用食品のマッチング・販売の促進を目的に、全国の生産者と消費者をマッチングするアプリ・サービス「ポケットマルシェ」内にて「#新型コロナで困ってます」タグの設置や、食材の初回送料無料クーポンの提供(2020年5月末まで)を実施している。

 また、ビビッドガーデン(東京都港区)は、農作物の直売サイト「食べチョク」において「食べて応援プロジェクト」を実施。専用ページを用意し優先的に登録作業を進めるほか、注文金額のうち送料の500円相当分を食べチョク側が負担する。さらにレストランや飲食店向けに、レシピ付き商品の販売で1件あたり300円の利益をシェフに還元し、仕入れコストの10%を負担するといった施策も行っている。

食べチョクの「食べて応援プロジェクト」のサイト(出所:食べチョクのホームページ)
食べチョクの「食べて応援プロジェクト」のサイト(出所:食べチョクのホームページ)
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 フードバンクの活用では、一般社団法人・全国フードバンク推進協議会が、全国の加盟フードバンク団体に向けて子どものいる貧困世帯に対して緊急的な支援の検討を要請するとともに、食品企業からの寄贈量の拡大といったサポートを積極的に推進している。

 同協議会は食料寄贈企業と全国のフードバンク団体をマッチングする窓口となって、食品や活動資金などの資源の分配作業、子どもの貧困問題などフードバンクの必要性を周知啓発する広報活動、フードバンク団体の設立支援などを行っている。国内で活動するフードバンク団体110団体(2019年11月時点)のうち33団体が同協議会に加盟している。

 これらの活動に対し、明治ホールディングスから約10万個の菓子の寄贈を受けた。2020年3月に明治グループ全体で開始した社内募金制度「明治ハピネス基金」で集まった募金と、明治ホールディングスの寄付金をもとにした活動で寄贈された菓子は、各地のフードバンク団体を通じて休校中の子どもたちや食の支援を必要とする世帯、子ども食堂や児童養護施設などへの支援に活用される。

 また、コンビニエンスストアチェーンのローソンからも、約7万2000個の菓子や加工食品の寄贈を受けた。ローソンは、2019年8月から同協議会に対して累計約15万5000個の食品の寄贈を行っている。今回、新型コロナウイルスの拡大を受けて寄贈対象食品の範囲を拡大したほか、1回あたりの寄贈数量も増やしたという。

ふるさと納税との連携も

 トラストバンク(東京都目黒区)が運営するふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」では、同サイトと契約する自治体に協力を呼び掛け「新型コロナウイルス被害事業者向け支援プロジェクト」を推進している。ふるさとチョイスは、ふるさと納税の寄付先を地域や返礼品、寄付の使い道などから検索できるサイトで、全国1500超の自治体と契約し22万点以上の返礼品を揃える。

 支援プロジェクトでは、ふるさと納税の返礼品に新型コロナウイルスで被害を受けた事業者の品物を選ぶことで、事業者を支援できる仕組みを構築した。ふるさとチョイス内に特設ページを開設し、給食関連事業者の食材、飲食店など外食関連事業者の食品メニュー、ホテルや旅館などの観光関連事業者が通年利用できる宿泊券や食事券、花の生産者や園芸農家など花き関連事業者の生花などを揃えた。

 このほかにもトラストバンクは、一般社団法人・こども宅食応援団(佐賀市)と連携し、生活困窮世帯向けに「突然の給食停止で困っているこどもたちに物資を。子育て家庭への支援プロジェクト」を立ち上げた。山形県三川町の米生産者からの提案がきっかけとなって始まったプロジェクトというだ。

 経済的に余裕のない家庭に定期的に食品を届ける取り組み「こども宅食」を活用し、寄付者がふるさと納税すると返礼品の食品がこども宅食として配送される仕組み。食材提供元は、一斉休校の影響で給食が中止になり、地域に食材が余っている自治体などを誘致する。今後、食品受取団体を子ども食堂、フードバンクなどの活動に広げていく予定だ。