3Dスキャナーでオーダーウエアの注文・販売

無人スキャンボックスのイメージ(出所:STAMP)
無人スキャンボックスのイメージ(出所:STAMP)
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 飲食店だけでなくアパレルでも非接触型の接客に取り組んでいる。オーダースーツ・シャツのD2CブランドであるFABRIC TOKYOでは、3Dスキャナー技術を活用したテックアパレルブランド「STAMP(スタンプ)」を展開している。JR有楽町駅前に2020年8月1日にオープンした体験型店舗「b8ta Tokyo - Yurakucho(ベータトウキョウ ユウラクチョウ)」内に、非接触でオーダーカジュアルウエアを購入できる無人型店舗を設置する。

 STAMPは“More Than Fit”をコンセプトとしたオーダーカジュアルウエアブランド。現在は、顧客がスキャンボックス内に入ると3Dスキャナー技術によって採寸し、オーダージーンズを購入できるサービスを展開している。

 今回、b8taに設置する完全無人スキャンボックスは、FABRIC TOKYO新宿店内に2019年11月に設置したβ版ボックスの検証結果を踏まえて大幅にアップデートしたもので、1回のスキャンは3秒で完了する。来店予約からオーダーまでをすべてLINE上で完結するとともに、店舗設備にはスマートロックを採用し、予約枠をタッチレスで管理している。

 今後は、SNSなどのユーザコミュニティを活用した製品開発により、新たな製品の拡充や仕様のアップデートを行う。ジーンズ以外のアイテムを追加するとともに、ジーンズもカラーやシルエットといったラインアップ、スマホポケットやレングスといったカスタマイズを追加していく。

飲食店向け電子メニュー作成サービスを無料公開

 飲食店のコロナ対策支援を目的に、電子メニュー作成サービス「ExMenu(エクスメニュー)」を開発したのが、AliveCast(福岡市)だ。飲食店の顧客が自身のスマートフォンを用いてメニューを見ることができるため、飲食店側でメニューブックや注文用タブレット端末を用意する必要がなく、顧客やスタッフの感染リスクを低減できる。誰もが利用できるように無料で公開している。

 飲食店側はパソコンやスマートフォン、タブレット端末からメニューを登録できる。登録メニューの追加・削除・編集にも対応し、「おすすめ」や「日替わり」の追加、金額の変更、季節メニューの追加・削除が可能。売り切れ表示機能も備え、メニュー管理の負担を削減できる。

 顧客は、テーブル上のQRコードをスマートフォンで読み込むだけでメニューを確認でき、注文はスタッフを呼んで口頭で注文する。さらに、スマートフォン注文・決済サービス「ExOrder(エクスオーダー)」に移行することで、注文と決済もスマートフォンだけで完結することができ、顧客とスタッフの対面時間をさらに最小限に抑えることができるとしている。

 ExMenuには、店舗でクラスター感染が発生した場合、感染者と接触した可能性のある顧客へメール通知する機能も実装した(メールアドレスを任意登録)。今後は、客足の遠のいた飲食店の集客を支援するため、店舗の空席状況がわかる機能や店舗のSNSとの連動機能、顧客が飲食店メニューを自宅で閲覧できる「お気に入り」機能、時間帯や日替わりでメニューを自動で入れ替える機能などを実装する予定だ。

券売機や自動販売機も非接触を強化

非接触パネルの取付イメージ(出所:NECマグナスコミュニケーションズ、新光商事)
非接触パネルの取付イメージ(出所:NECマグナスコミュニケーションズ、新光商事)
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 NECマグナスコミュニケーションズ(川崎市)と新光商事(東京都品川区)は、NECマグナスのタッチ式券売機「MP-T300」シリーズに新光商事の非接触パネル「ノータッチフレーム」を取り付けたタッチレス券売機を開発した。

 タッチパネルに直接手を触れないため従来の券売機と比べて衛生的で、さらにキャッシュレス決済と組み合わせることで非接触決済を実現できると説明する。アタッチメント方式で簡単に取り付け可能なため、既に納入済みの券売機にも装着できる。

 主なターゲットはより衛生的な配慮が求められる飲食店で、NECマグナス社員食堂内でも2020年8月から実証実験を開始する予定。NECマグナスの券売機のオプションとして2020年度上期中に製品化し、今後5年間に1000台の販売をめざすとしている。

 クリーンネス(衛生)・キャッシュレス(非接触)・ウェルネス(健康)の3つを柱とした自動販売機の展開を進めている伊藤園は、自販機は不特定多数が利用するため、安心して購入できる衛生的な自販機づくりに取り組んでいく。

抗菌対策自販機の対策例(出所:伊藤園)
抗菌対策自販機の対策例(出所:伊藤園)
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 非接触の取り組みでは、Suicaなど交通系電子マネーに加えて、PayPayや楽天ペイ(アプリ決済)、AlipayなどのQRコード決済が利用できるITアクセス機を積極的に導入し、2020年6月末現在でキャッシュレス対応自販機を2万台展開している。2020年7月からはau Payが追加され、8社のQRコード決済が可能になった。

 このほかにも、消費者が接触する購入ボタンなどの箇所に、抗菌効果のある茶殻シールや抗ウイルスシートを貼付したクリーンネス自販機を4万台展開していく計画。また、野菜ジュースや黒酢飲料など健康に特化した品揃えの自販機をウェルネス自販機として提案し、2020年6月末現在で5000台を展開している。

 新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、人と人との接触機会を大きく減らすことが求められている。その一方で接客が不可欠な飲食店や小売店にとっては、売り上げ減につながる死活問題でもある。従来の接客を非接触のサービスでどのように置き換えていくか、知恵の絞りどころだ。