地方の姿は日本全国の姿そのもの

 高校時代の同級生とたった2人で創業したHAB&Co.は、今ではアルバイトも含めて21人の大所帯となった。コロナ禍に見舞われた2020年には2度の資金調達を行い、今期は前期比250%の成長となる見込み。しかし、森氏は至って冷静だ。

 「コロナ禍によってベンチャー界隈もリセッション(景気後退)が確実に出てきている。コロナ前は、マネタイズがうまくいかなくてもユーザがついていれば投資対象とされたが、今は資金が集まるベンチャーとそうでないベンチャーが二極化している。その点、当社は最初からBtoBでコツコツと展開してきたので影響を受けていない」と話す。

 森氏は、東京のベンチャーキャピタルや銀行から「東京でこのビジネスをやっていたら投資したのに。なぜわざわざ(地方という)ハードモードで勝負するのか」と言われたことがあるという。「資本市場の原理や経済合理性を考えればその観点は正しい」と認めながらも、森氏は大分でベンチャーを経営することに誇りを持っている。

大分からニッチマーケットの頂点をめざす(写真:小口正貴)
大分からニッチマーケットの頂点をめざす(写真:小口正貴)
[画像のクリックで拡大表示]

 「経営者はつまずいたり悩んだりすることの連続だが、そんなときに拠り所になるのは自分がどうしても解決したい課題や原体験。私たちのサービスは東京にいたらきっと思いつかなかっただろう。地域に密着して活動してきた結果、生まれたサービスだと自負している。そして地方の姿は日本全国の姿そのもの。だからこそ、ここから課題を一つひとつ解決していき、ニッチマーケットの頂点をめざす」と森氏。

 今後はオンラインイベントの集客・告知支援、中小企業向けのタレントマネジメントツールをリリース予定だ。森氏は「求人はスタートラインにすぎず、入社後の研修、エンゲージメント施策による従業員満足度の向上、人事・労務系作業のデジタル化などHRテックは一気通貫で非常に幅広い領域。SHIRAHAで開拓した中小企業向けのHRサービスを拡充していく」と意欲を見せる。