街とどう関わってきたのか

滝口「最初は地元の人も寄りつかないような場所だったのに、どうやって街の人に受け入れられていったんですか?」

吉澤さん「テレビの影響が大きいですね。住宅街の中にあるお化け屋敷ってことでとりあげてもらって、それを見た地元の人が、あそこはお化け屋敷だったのか、って。それからホラープランナーとしていろんなところから声がかかり、方南町以外でもお化け屋敷をつくるようになりました。サンリオピューロランドの『オバケンゾンビランド』とか」

滝口「すると、必ずしも方南町にこだわってるわけじゃないんですか?」

吉澤さん「方南町だけで活動しようとは思ってないんですが、方南町でも、もっともっといろんなことをやりたいと思ってます。『方南町遊園地化計画』ってぼくらは呼んでるんですけれど」

滝口「え? なんですか、それ! 楽しそうな響きですね。どんな計画があるんですか?」

吉澤さん「すでにいろんなアトラクションを実際にやってます。お化け屋敷以外にも、忍者体験ができる『方南町忍者屋敷シュリケン』、悪代官から米を盗んで奪い返す『米泥棒大作戦』とか」

滝口「本物の米を盗むアトラクションですか? 聞いたことないですね」

(編集部注:2019年に開催したイベントで、現在は実施していません)

吉澤さん「宇宙初のミッションクリア型米屋って呼んでます」

滝口「あ、盗んだお米は持ち帰れるのか。なんでそんなアトラクションつくったんですか? どこから思いついたのか、発想の原点がまったく想像できない」

吉澤さん「このアトラクションは社長がつくったんですけどね、社長は無農薬の農業もやっていて、お母さんが子どもに500円渡して『これでお米盗んできてちょうだい』って、お使いを遊びにできないか、考えてできたアトラクションみたいです。最近、米を完売して閉じてるんですが」

滝口「なるほど…想像もしてないところからの発想ですね。そして、社長さんの、思考のタガの外れっぷりもスゴい。他にも計画はあるんですか?」

吉澤さん「最近オープンしたのが、『Y澤精肉店』です。お化け屋敷の『脅かし』の要素をなくした謎解きアトラクションなんです」

こちらが「Y澤精肉店」。この店のオーナーはある事件の重要参考人であり、参加者は刑事に扮して、この店で潜入捜査を行う、という設定。果たしてあなたは時間内に謎を解き、戻ってくることはできるのか? ホラーと謎解きが融合した体験型アトラクション。

なお、ときどき、本物のお肉屋さんと勘違いして、お客さんが入ってくるそう。店の前に置いてある自転車は、この建物の上の階に住んでいる住人のもの。まさに、住宅街の中にアトラクションがあるのだ。

吉澤さん「それと、アトラクションじゃないんですが、今やってることとして、『ベビーカーおろすんジャー』というヒーローがいたり、お年寄りと子どもたちの交流の場になればと思って『駄可笑屋敷』(だがしやしき)という駄菓子屋さんもやってますし、『変ドル』という方南町遊園地内だけで使えるお金もあります」

滝口「いろいろ変な単語が飛び出してきましたね。ベビーカーおろすんジャー? 変ドル? 社長さん、こんなにいろんなこと、よくやらせてくれますね。どんな人なんだろう?」

吉澤さん「あ、今日、もしかしたら社長が会社にいるかもしれません。ついでに話聞いてみます?」

滝口「え、ぜひ、お願いしたいです!」

というわけで、次回、「方南町遊園地化計画」の親玉登場。
怒涛の後編につづく!

方南町お化け屋敷オバケン シーズン5
畏怖 咽び家
http://obakensan.com/if/
※緊急事態宣言解除まで休業とのこと。詳細は各サイトをご覧ください。
謎解き屋敷オバケン#1.
Y澤精肉店
http://obakensan.com/y_seiniku/
※緊急事態宣言解除まで休業とのこと。詳細は各サイトをご覧ください。
筆者 滝口勇也(PANTS)
「思い込みを、脱いじゃおう。」をテーマに、これまでの常識やあたりまえをちょっと疑って新しい視点に気づけるモノづくりや企画を考えるクリエイティブチーム「PANTS」。炎上シミュレーションゲーム「大炎笑」・亡くなった人について語るためのゲーム「ないはずの記憶」・新婚カップルのための「一生つづくゲーム」など。
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