こんにちは。PANTSの滝口です。ふだんは「思い込みを脱いじゃおう。」を合言葉に、映像・イベント・ゲームなどの企画開発を行っています。この連載は「思考のタガの外し方」をテーマに、これはタガが外れてるなぁ、というまちおこし活動をされている方にインタビューして、タガの外し方のコツを探る、というもの。

今回は、東京・池袋で行われる少し変わった短編映画祭を主催している西尾まさしさんにインタビュー。映画祭のタイトルは「巡る×シネマ×カフェ」。バーやカフェなどのお店で映画を撮影し、それをそのお店で上映しているそう。言わば映画の地産地消。でも、なんでそんなことをやっているんだろう? さっそく聞きにきました。

なぜ映画の地産地消を行うのか?

 取材は、第3回「巡る×シネマ×カフェ」に参加されるお店の一つ、バー「Oasis」で行いました。

こちらが実行委員会代表であり映画監督の西尾まさしさん。

 こちらが実行委員会代表であり映画監督の西尾まさしさん。

撮影時だけマスクを外してもらいました
撮影時だけマスクを外してもらいました

滝口「どうしてロケ地のお店で上映をする、映画の地産地消みたいな短編映画祭をやることになったんですか? ロケ場所として貸してくれるくらいだから、上映もしやすいとかそういう理由でしょうか?」

西尾さん「そもそもこの『巡る×シネマ×カフェ』ではお店をロケ場所としてはとらえてないんです。ふつう、映画って監督のものじゃないですか。監督がすべてを決める。お店などのロケ場所はあくまで協力という形になる。でも、この企画では監督とお店が対等なんです。監督とお店がそれぞれタッグを組んで、映画をつくっていく。それがこのイベントの最大の特徴です」

滝口「監督からするとお店の人に口を出されるなんて、やりにくいんじゃないでしょうか?」

西尾さん「いや、むしろ、みんなおもしろがって参加してくれますよ。逆に言うと、おもしろがれる人しか参加しない。そもそも、監督と言ってもいろんな人がいるんです。仕事として映画に携わっている人ももちろんいますが、そもそも一度も映画を撮ったことがないけれどずっと撮ってみたかったという人が監督として参加したりもするんです」

2017年開催の第2回「巡る×シネマ×カフェ」のときのもの。監督とお店がタッグを組んで、映画をつくる(資料提供:巡る×シネマ×カフェ実行委員会)
2017年開催の第2回「巡る×シネマ×カフェ」のときのもの。監督とお店がタッグを組んで、映画をつくる(資料提供:巡る×シネマ×カフェ実行委員会)

滝口「いろんな背景を持った人がいるんですね」

西尾さん「あと、もともと、そのお店の常連さんだった人が監督をやった、なんてケースもありますね。常連さんが映画を撮りたがっていて、お店の人がちょうどいい機会だと思って参加してくれたんです」

滝口「あぁ、じゃあ、本当に監督とお店が対等なんですね」

『ハングドマン ​The Hanged Man』撮影風景(写真提供:巡る×シネマ×カフェ実行委員会)
『ハングドマン ​The Hanged Man』撮影風景(写真提供:巡る×シネマ×カフェ実行委員会)

西尾さん「店長や常連のお客さんが役者として出演することもあります。HAKUというバーで撮った『青春のリグレット』という映画は、監督も出演者もすべて常連さんなんです」

『青春のリグレット』撮影風景(写真提供:巡る×シネマ×カフェ実行委員会)
『青春のリグレット』撮影風景(写真提供:巡る×シネマ×カフェ実行委員会)
第2回「巡る×シネマ×カフェ」
開催期間:2017年10月31日〜11月5日
出品数:5作品
 プロデューサーでもある西尾さんが5つのお店と5人の監督のタッグをコーディネート。映画制作上のルールは「お店が舞台」だけ。それぞれに短編映画を制作し、全作品がそれぞれのお店を巡って順に上映。お客さんはお店を巡り、飲食しながら鑑賞する。出品費用は無料。各お店の募金箱とチケットの売上の一部を各制作チームに配分。第3回は2020年制作スタート予定。