なぜか人が集まる場所
滝口「いま、会員数はどれくらいなんですか?」
加藤さん「50人弱くらいですね。月2万円の会費で、固定費などの支出を考えると、収支はとんとんかちょっと足りないくらい。今年2020年の3月16日にオープンして、当初は今と少しちがう形態でスタートしたんですが、すぐコロナ禍になって、試行錯誤しながらまずは今の形でやっています。もう少し会員数を増やして収益を上げる必要があるので、サテライトスペースの準備も進めています」

滝口「この状況において、⽉2万円の会費なのに50⼈弱集まるってスゴいですね。それとは別に、スタッフの⼈数も多いと聞きました」
加藤さん「いろんな関わり⽅をしている⼈がいるんですが、全部で25⼈くらいですね」

滝口「どうして、こんなに人が集まるんでしょう?」
加藤さん「こちらから誘ったことはないんです。元々は小杉湯に来ていたお客さんが多いんですが、自分から何かやりたいと言って集まってきてくれるんですよ。例えば、オープン1ヵ月前に『ここで働かせてください』と現れたスタッフがいるんです。彼女はここで働きながら、週末は自分でフルーツサンドを販売してます」

加藤さん「他にも、駄菓子屋さんをやりたかった人が日曜日に、勝手に駄菓子屋さんをやってるし、本屋さんになりたかった人は『小杉湯となり』の広報を手伝ってくれながら、2階の本棚のセレクションも担当している」

滝口「でも、みんながみんな、自分のやりたいことをやってたら、場が荒れませんか? 変な人も来るだろうし」
平松さん「そんな変な人なんて来ないですよ。やりたい人がいれば、どんどんやるのがいいと思う。『YOU、やっちゃいなよ』っていう精神。自分ではジャニー喜多川理論と呼んでるんですが(笑)」

平松さん「みんながやりたいことをやっていくと、この場をみんなが最適化してくれる、そんな感覚があるんです。昔は、ぼくがやらなくちゃ、といろんなことに介入していたんですが、そうするとかえってうまくいかないことが多かったんです」
小杉湯・小杉湯となりにはなぜ人が集まるのか、その核心に迫る後編に続く!
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