実施のために、乗り越えたこと

滝口「実施する上で、ハードルってありました?」

山本さん「たくさんありましたよ。『教科書に載ってない説をお祭りにしていいのか!』っていろんな人から言われました。『後援に徳島県が入ってるんだぞ!』とか」

滝口「もっともな意見ですよね。普通だったらやめちゃいません?」

山本さん「でも歴史の説はどれも、最初はすべて教科書に載ってないじゃないですか」

滝口「まぁ、そうですね」

山本さん「説をみんなで議論してどうやら確からしい、となって初めて教科書に載る。今、教科書に載ってないから説を唱えちゃダメ、イベントをやっちゃダメ、って変じゃないですか?」

滝口「なるほど! 一理ある。説の段階だから街おこしに使っちゃダメ、ってことはないのか。ぼくが思考のタガにはまっていたみたいです」

滝口「でも、批判は変わらずあるわけですよね。どうやって乗り越えたんですか?」

山本さん「繰り返し丁寧に説明はしました。ただ、歴史の話はむずかしい。だから、説得することはやめました」

滝口「説得を…しなかった?」

山本さん「その代わりに、7月に卑弥呼フェスの説明会という名の前夜祭を開くことにしたんです。反対意見も賛成意見もその場に全部出す。その上で、みんなに共通する目標を語る」

中井さん「山本さんが『子どもたちに徳島の未来を見せたい』と熱く語ったんです」

山本さん「そう。そうすると、反対していた人も賛成じゃないけれどまぁ黙認してもいいか、となったんです」

滝口 「そうか、黙認さえしてもらえれば、先に進めますもんね。なるほど。他にハードルってありました?」

山本さん「堅実な方たちからは『お遍路をテーマにした方がいい。その方が確実に人は集まる。今あるものを活用するべき』と言われました」

滝口「ぼくもそう思います。わざわざ本当かどうかわからない説を持ち出してお祭りにしなくても」

山本さん「でも、お遍路は徳島のものだけじゃないんです。ぼくは徳島の若い人たちが誇れるものをつくりたかった」

滝口「(あ、あれ…? 堺名物のはにわぷりんとか、徳島のものじゃないものがたくさんあったけど…)」

第二回はどうする?

滝口「来年はどうするつもりです?」

山本さん「来年ももちろんやるつもりです。ただ、卑弥呼の映画をつくる、という構想もあるんですよね。卑弥呼グランプリの優勝した彼女をヒロインにして」

滝口「…(だから、娘さんの友だちを優勝者に…?)」

滝口「来年はここを大きく変えた方がいいな、と思うことってあります?」

山本さん「飲食店はもっと古代に寄せたいです。ふつうのご飯のところもあったので。あとは人気だった勾玉ブースを広げるとか…そんなとこですかね」

滝口「そうすると、今年の延長線上でお考えなんですね。ちなみにですが、あの卑弥呼フェスで若者たちが徳島に自信を持てたと思います?」

山本さん「うーん、話すきっかけにはなったと思うんですが…」

滝口「勝手ながら、2回目はもっと思考のタガを外した方がいいと思うんです」

山本さん「まだ足りませんか…」

山本さんの話を聞いていると、裏側には熱い情熱があることが見えてきた。
しかし同時に、卑弥呼フェスはタガが外れまくったイベントだと思っていたが、
まだまだ外れていないところもある。

普通の街おこしではなく、もっと独自のイベントにするために、
もっともっとタガが外せるはずだ!
そんな思いに駆られた筆者は、ある行動に出た。