超・山奥のサウナへ

 サウナを巡る旅のことをファンは「サ旅」と呼ぶが、九州のサ旅には王道のルートがある。そこには豊後大野のサウナがいくつも入っている。稲積水中鍾乳洞のサウナもそうだし、次に向かう「REBUILD SAUNA」もそれだ。サウナファンなら誰でも知ってる有名なサウナ情報サイト『サウナイキタイ』でも、この二つのサウナが大分県サウナ人気ランキングの2位と3位になっている(*2021年11月時点)。

 「REBUILD SAUNA」へ向かうため、山道を車で走った。街中から車で約1時間。

 車道には“ヘリポート”もある。

 聞けば、土砂崩れなどで道が分断されると他にアクセスする手段がないため、非常用に設置している、とのこと(*編集部注:ヘリポートではなく、緊急被害時のヘリコプターによる救出場所の目印です)。

 この道で合ってるのか不安になるほどの山道を1時間ばかり走ると、突然、山中とは思えないほど巨大な建物が姿を現した。

 小学校だった建物を改築した宿らしい。こんな山奥に、どうしてこんな建物を建てられたんだろう……。

 ここにあるのが廃材を利用して建てられたサウナ小屋「REBUILD SAUNA」。

 こんな山奥に廃材を利用してこんなオシャレなサウナ小屋を建てるなんて。

 こちらは、大分県ではまだ豊後大野市にしかない“薪サウナ”を体験できる(*事前予約制)。さっそく入らせてもらおう。

 鍾乳洞サウナとはまた異なり、薪の効果なのか、体の中からじっくりと温まる。薄ぼんやりとした暗がりの中で薪のはぜる音を聞きながら、汗を流す。

 体が熱を帯びてきたら、さっそく水風呂へ。元小学校らしく、水風呂代わりにプールに入る。テンションが上がって飛び込む(*編集部注:危険ですので、真似しないでください)。

 大自然の中でおじさんがはしゃぐ写真が続くこと、ご容赦いただきたい……。

 こうしてサウナを楽しんだ後は豊後大野のサ飯(サウナ飯)を食べるのが、九州サウナ好きによる王道のサ旅ロードだ。

(提供:おんせん県いいサウナ研究所)

 コロナ禍で人々はキャンプやアウトドアに向かった。そこに加えてここ数年のサウナブーム。アウトドアサウナが注目を浴びているから、自然いっぱいなまち・豊後大野がサウナのまち宣言をするのもわかる。

 わかるのだが、でも、それはまち全体から見たら非常に「点」な活動ではないか。まちにある5軒のサウナといくつかの食堂が観光客で多少潤うだけなんじゃないか。そもそも山道を整備するのにも税金がかかる。その税金を補うほどの広がりはあるのだろうか?

 そんな斜に構えた視点を持ちつつ、「サウナのまち」宣言の仕掛け人である高橋ケンさんにインタビューを申し込んだ。聞きたいテーマは、ずばり「サウナのまち宣言をするほど、たかだかサウナ一つでまちは変わることができるんですか?」

 しかし、高橋さんが描いていた野望は、想像の数倍どデカいものだった。

 次回、編集者が大分県の田舎町で企てた「サウナのまち」の壮大な未来とは?  国を動かす野望編に続く

筆者 滝口勇也(PANTS)
「思い込みを、脱いじゃおう。」をテーマに、これまでの常識やあたりまえをちょっと疑って新しい視点に気づけるモノづくりや企画を考えるクリエイティブチーム「PANTS」。炎上シミュレーションゲーム「大炎笑」・亡くなった人について語るためのゲーム「ないはずの記憶」・大切な人への思いを残す「一生つづくゲーム」など。
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