世界有数の電気街から電脳都市へ。そしてサブカルチャーの聖地へと、時代のフロントエッジを捉えるように変遷してきたまち・秋葉原。一方、日本で唯一の宝飾問屋街として知られる御徒町。どちらも、日本のみならず海外の人々をも惹きつける、日本の“今”の顔と言える。この二つのまちを結ぶように広がる「AKI-OKA ARTISAN」エリアにユニークなホテルがある。今回は、その「UNDER RAILWAY HOTEL AKIHABARA」を訪ねてみた。
日本の食やカルチャーが楽しめる、高架下のさんぽ道を通ってホテルへ
ちょっと寄り道をしながら、ホテルに向かおう。というのも、秋葉原ー御徒町駅間の高架下にある「AKI-OKA STREET」を散策することも、このホテルに泊まる魅力につながっているからだ。そこには個性的なショップが集まるエリアが連なっている。今回は、秋葉原駅からホテルへ向かう。
高架沿いを御徒町方面へ歩いていくと、まず “日本のいいもの逸品市場” をうたうマルシェエリア「ちゃばら」が現れる。店内には、選りすぐりの日本各地の特産品が所狭しと並べられ、見て回るだけでも楽しい。食堂やコーヒーショップもあり、まち歩きの休憩所としても良さそうだ。
さらに御徒町方面に歩くと、大きく6区画に分かれている商業施設「SEEKBASE AKI-OKA MANUFACTURE」(以下、SEEKBASE)がある。カメラや音楽、コレクターズアイテムを取り扱うショップ、クラフトスピリッツを蒸溜するダイニングバー、自転車の買い取り販売専門店など、“未知のワクワクとスグレモノを探すことができる”専門ショップが集結している。
このSEEKBASEの一角に、「UNDER RAILWAY HOTEL AKIHABARA」(以下、UNDER RAILWAY HOTEL)はある。
ホテルから先の御徒町方面には、日本の手仕事によってつくられたアイテムが集まるものづくりエリア「2k540」、さらにグルメエリア「御徒町らーめん横丁」があり、御徒町駅へとつながる。
高架下の2階というユニークなホテル
SEEKBASEには、秋葉原側から0、1、2、3……と区画ナンバーが振られており、UNDER RAILWAY HOTELのナンバーは5。御徒町駅寄りに位置する。
1階は時間貸しのパーキングで、ホテルは2階にある。一見すると、ここがホテルだとは気づきにくい外観だが、それもまた隠れ家のような感じがして面白い。
2階に上がるとすぐフロントがある。新型コロナ対策で遮蔽ビニールが張られ、消毒液が置かれている。ホテルスタッフによると、スタッフの健康管理、清掃時のアルコール消毒はもちろん、利用者に検温、手指の消毒に協力してもらい、宿泊者には体調についての同意書にサインをしてもらうといった感染対策を行っているという。
このホテルは、飲食物の持ち込みが可能で、その代わりレストランがない。ただ、フロント横に併設されている「KEY'S CAFÉ 秋葉原SEEKBASE店」がドリンクやモーニングメニューを提供しており、宿泊客でなくても利用できる。取材当日もドリンクを受け取った若者たちが、フロントを挟んだ逆サイドにあるラウンジで、打ち合わせに、学びに、あるいはリラックスのために利用する姿がみられた。
フロント脇を抜けたところに客室エリアがある。ホテルではQRコード式のルームキーが採用されていて、客室エリアへ入るのも、各客室への入室にも、またクローズ時のエントランスでも、すべてQRコードのスキャンで解錠を行う。
これはチェックイン時に発行されるもので、滞在期間中のみ有効な、いわばワンタイムQRコードだ。QRコードをスマートフォンで撮影し、その画面をかざすことでも解錠できるので、一緒に泊まるメンバーでキーをシェアできる。キーをフロントに預ける・受け取る手間も省け、紛失のリスクもなくなる。