サウナといえば男性が好むイメージがありましたが、サウナブームで多彩なサウナが登場し、男性だけでなく女性の利用客もどんどん増えています。銭湯の元番頭で絵描きの塩谷歩波さんが、全国にある地域色豊かなサウナを訪れ、まちや人との関係を解き明かします。長年多くの女性たちに愛され続けているルビーパレス。後編では、フロント統括リーダーの相原美香さんにお話を伺い、ルビーパレスの魅力をひもといていきます。
(前編はこちら)
塩谷ルビーパレスの沿革を教えてください。
相原さんルビーパレスは創業33年で、5年ほど前に教育事業などを手掛けるライセンスアカデミーが取得しました。その前の経営者は今も関わってくださっていて、アカスリやエステのスタッフも以前から働いている方が多いです。
塩谷ライセンスアカデミーが取得してから、大きく変わったことはありますか?
相原さん最近はサウナブームでサウナ好きの方が多くいらっしゃっていますが、私がルビーパレスに勤め始めた頃は、まだ女性専用サウナということがうまく伝わっていませんでした。当時のサウナの本にはたくさんのサウナ施設が紹介されているのに、ルビーパレスは載っていなくて……。
そこで、うちの魅力をもっとアピールしたいと思い、キャンペーンやSNS(交流サイト)を始めてみました。例えば、毎月8・9・10日の3日間にサウナハットを持参してくれた方には、スポーツドリンクをプレゼントしたり入館料を200円割引したりする「ハットの日」キャンペーンを行うとか(現在は実施していません)。これはサウナで髪が傷むことを気にされる方もいるので、髪を熱から守るサウナハットの効果を伝えるために実施したものです。
塩谷女性専用サウナはまだまだ少ない状況ですが、女性専用サウナとして気を使っていることはありますか?
相原さん男性の存在が感じられないようにすることに気を使っていますね。営業時間外でも男性の出入りは注意しています。男性を気にしないからこそ安心できる方もいると思うので。また、既婚者の方も家族の前ではあまり変な格好ができないという話をよく聞きますので、家にいるよりもっとリラックスできる空間づくりをめざしています。
塩谷すてきな気遣いですね。いくら浴室が男女で分かれていても、休憩室や食事処が男女一緒になるスパ施設だと、どうしても落ち着かないことがあるので、とても共感します。
相原さんまた、女性専用というときらびやかな空間を想像される方もいると思うのですが、ルビーパレスの装飾はシンプルで、アメニティーやドライヤーも特別なものは使っていません。サービスにお金をかけすぎると、入館料などの価格を見直す必要が生じてしまうので。それよりも、今の価格帯を維持しつつ、みなさんがリラックスして過ごしていただけることを考えていきたいと思っています。
塩谷本当にリラックスしたいときは、きらびやかすぎる空間だと逆に疲れてしまうこともあります。そうした考え方が、ルビーパレスの居心地のよさをつくっているんですね。