サウナといえば男性が好むイメージがありましたが、サウナブームで多彩なサウナが登場し、男性だけでなく女性の利用客もどんどん増えています。銭湯の元番頭で絵描きの塩谷歩波さんが、全国にある地域色豊かなサウナを訪れ、まちや人との関係を解き明かします。今回は東京・北千住のタカラ湯。美しい縁側と本格フィンランドサウナがある老舗銭湯です。

 純喫茶、レトロな商店街、大衆居酒屋、そして銭湯。下町情緒があふれるまち・北千住駅から荒川に向けて歩いて20分くらいのところに「キングオブ縁側」の異名で知られる老舗銭湯「タカラ湯」があります。タカラ湯は、私の半生がモデルになったドラマ「湯あがりスケッチ」(2022年2月3日から、ひかりTVで配信中)のロケ地。ドラマの放送に合わせ、タカラ湯の魅力を紹介します。

お寺のような立派なタカラ湯の外観(写真:塩谷歩波)
お寺のような立派なタカラ湯の外観(写真:塩谷歩波)
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ドラマ「湯あがりスケッチ」(資料:NTTぷらら)
ドラマ「湯あがりスケッチ」(資料:NTTぷらら)
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 北千住駅で電車を降りて、にぎやかな駅前の繁華街を通り、八百屋や焼鳥屋が並ぶレトロな商店街を抜けると、閑静な住宅街が広がっています。そして料亭のような風格のある塀が続いた先に、神社仏閣を思わせる重厚な瓦屋根の建物が出迎えます。

 入り口には「ゆ」の文字が浮かぶのれんと、「わ」の板。「わ+板=(お湯が)沸いた=営業中」を示すものだそうです。裏返すと「ぬ」と書いてあり、「ぬ+板=(お湯を)抜いた=準備中」を意味するのだとか。宮造りの厳かな見た目に反したユニークさに、クスッとしてしまいます。

 「キングオブ縁側」と言われる縁側がこちら。東京の住宅街にあるなんて嘘のような、まるで温泉宿にきたかのような心が洗われる美しさです。15時の開店直後は光がさんさんと差し込んで木漏れ日がとても美しく、ベンチに座ってうっとり眺めたくなります。

男湯の脱衣所からつながる縁側(写真:塩谷歩波)
男湯の脱衣所からつながる縁側(写真:塩谷歩波)
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昼下がりは木漏れ日が美しい(写真:塩谷歩波)
昼下がりは木漏れ日が美しい(写真:塩谷歩波)
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 こちらの縁側があるのは男湯の脱衣所。湯あがりにテーブルでのんびりくつろいだり、下着のまま縁側で火照った体をさます人もいるのだとか。毎週水曜日に男女入れ替えになるので、女性は水曜日に縁側を堪能できます。

男湯脱衣所の奥のスペース(写真:塩谷歩波)
男湯脱衣所の奥のスペース(写真:塩谷歩波)
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 浴室はピンクのタイルと、浴槽の縁のオレンジ色のタイルがかわいらしく温かな印象。高窓から光が差し込んできて、湯船がキラキラ輝いています。見上げた先に飾られている富士山のペンキ絵には飛行機が……。以前、ドラマの舞台として使われた際に貼られたもので、そのままにしているそうです。

高窓から光が差し込む男湯浴室(写真:塩谷歩波)
高窓から光が差し込む男湯浴室(写真:塩谷歩波)
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