地方創生の取り組みからも注目されるワーケーション

 地方自治体がワーケーションに興味を持ち始めたのは、地方創生への貢献という観点からだ。観光地やリゾート地などを有する地方自治体にとって、中長期的な滞在が可能となるワーケーションは、魅力的な文化資源や地域資源を通して、その地域の良さを体感してもらえる機会が創出できると考えている。さらに、都会と地域の人材や企業が交流することで、新しい技術や人脈が地域に還元されるメリットも大きいと見ている。

 2019年11月には、ワーケーションで働く人たちを受け入れる側の全国の自治体が集まる、「ワーケーション自治体協議会(WAJ)」が設立され、発足時には65の自治体(1道6県58市町村)が会員として参加表明した。

WAJは、ワーケーションの全国的な普及・促進を図るために、
・WAJ主催の情報交換会や会員自治体によるワーケーション体験会の実施
・東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会や2025年日本国際博覧会などのメガイベントに向けた、地方でのワーケーションの共同PR
・全国のワーケーションに関する統一的な情報発信手段の検討
・その他、ワーケーションの普及・促進に向けた取り組みの検討
などの活動を行う。

 WAJの会長には、ワーケーションの推進・受け入れに積極的に取り組んできた、和歌山県の仁坂吉伸知事が選任された。和歌山県は2017年度から主に紀南地域を活用したワーケーション推進を図っている。観光資源が豊富で東京からの空のアクセスに便利な白浜町などを中心に広がりをみせ、町内にワーケーションオフィスをオープンさせた。

和歌山県白浜町にオープンしたワーケーションオフィス(写真提供:和歌山県)
和歌山県白浜町にオープンしたワーケーションオフィス(写真提供:和歌山県)
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 和歌山県情報政策課によると、2017~2018年度には課が把握しているだけで約50企業560人が県内でワーケーションを実施したという。

 ワーケーションで活用する施設などの環境を充実させようとしているのは、地方自治体だけではない。後編では、地方自治体や民間が支援するワーケーションの取り組みなどについて紹介する。

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