NTT都市開発株式会社 商業事業本部 商業事業部 LIFORK担当 担当課長 営業・MD担当の金子昌徳氏と担当課長代理の佐藤未央氏の2名に、LIFORKの特徴やコンセプトについて話を聞いてきた、この連載企画。最終回となる今回は、2019年末に行われたイベントに潜入取材。なぜLIFORKでは、楽しみながら働くことができるのか? その秘密を探った。

映画が流れる空間ではたらくって、たのしい。

 洗練された重厚なデザインのインテリアに囲まれたラグジュアリーなホテルラウンジのような空間。その中で、老若男女問わず、さまざまな人が飲み物や軽食を片手に、映画を楽しんでいる──。

 大手町のオフィス街のイメージを覆す、そんな光景が見られたのは、2019年12月18日(水)の夜のこと。東京・大手町に立地するLIFORK OTEMACHIで開催された「LIFORKシネマ クリスマス特別編」の様子である。

平日の夜にも関わらず、続々と人が集まり映画の始まりを心待ちに

 LIFORKシネマは「映画が流れる空間ではたらくって、たのしい。」をコンセプトに、LIFORK内で映画を上映するもので、これまで5回開催されている。最終回となるこの日に上映されたのは『ティファニー ニューヨーク五番街の秘密』。米国ニューヨークに本店のあるジュエリーブランド「ティファニー」の歴史や魅力を探るドキュメンタリー作品である。上映タイトルは、映画専門代理店がエリア特性や時期に合わせて選んだとのことだが、ブランドというテーマは、さまざまなビジネスが展開されるシェアオフィスにはうってつけであり、クリスマスを思わす雰囲気も時期的にぴったり。実に見事なチョイスである。

老若男女を問わず、さまざまな人が集う

 さて、このイベントで特にユニークなのは、通常映画館で禁止されていることが許されていること。そもそも「働きながら映画を観るとどうなるか?」という実験の場なので、パソコンやスマホを開いても、会話をしてもOKなのである。

 実際に会場の中央に設けられた巨大なスクリーンに映像が映し出されると、映画を観ながらパソコンやスマホ操作している人、飲み物や軽食を片手にリラックスした雰囲気で映画を楽しむ人、あるいは食い入るようにスクリーンを見つめている人など、皆、さまざまな楽しみ方をしていた。

映画を観ながら仕事をする人、スマホを操作しながら映画を観る人も

 さらに、通常、LIFORKを利用できるのは会員に限定されているが、LIFORKシネマは事前申し込み制で誰でも参加可能。この日は定員である約50名の申し込みがあり、18時半の開演時には会場の椅子がすべて埋まってしまうほどの盛況ぶりだった。

“LIFE”と“WORK”の境界を越えたらどうなるか? を検証

 さて、LIFORKでは会員同士はもちろん、会員と地域の人を結ぶコミュニケーションが自然な形で生まれることを重視している。

 それは、このイベントでも同様。イベントの開始にあたって運営側の挨拶などがないのも、自然なコミュニケーションを生み出すための配慮なのである。各々飲み物や軽食を手にとり、時間になれば映画が始まり、映画が終わればお開きになる──それだけだ。しかし、目的も背景も異なる多様な人が、同じ場所で同じ映画を一緒に観ていることに価値がある。確かに、このような不思議な状況なら、ほかの場所ではありえないような新たなコミュニケーションが生まれそうだ。

実際に用意された料理。このほかにアルコールも提供されていた

「LIFORKは、“LIFE”と“WORK”を合わせた造語ですけど、そもそも生活と仕事って、はっきり線引きできません。プライベートな時間に仕事のことを全く考えないことはないですし、仕事に活かせることをプライベートで楽しみながらできるといいですよね。働きながら映画を観るのか、映画を観ながら働くのかは人それぞれですけど、いずれにせよ、このイベントは、“LIFE”と“WORK”の垣根を取り払ったらどうなるかということを検証する壮大な実験なんです。働き方改革を本気で実現させるための取り組みのひとつということです。」

 そう語るのは、これまでの記事にも登場したNTT都市開発の金子昌徳氏。「LIFORKシネマ」は、一定の成果が得られたということで、一旦終了となる。しかし、これまで得られた知見をもとに、今後、別の拠点で開催するなど、さらなる展開を検討している最中だという。