消費電力量は計算値から25%減に

 それぞれの設備は、内容に応じてコントロール方法を変えている。6系統に分割した天井のLED照明は、室内の明るさに応じて自動で照度調整する。空調は中央管理室で監視しながら、常駐管理する大林ファシリティーズ(東京・千代田)の担当者が状況に合わせて個別制御している。

 ただし、基本的な制御は利用する社員の手で行う。窓回りのブラインドも、執務エリア全体で7系統に分けた上で、勤務する社員の判断で開け閉めしている。「中央管理する範囲を増やせば消費エネルギーをもっと削減できるが、ある程度自分たちで操作できるほうが利用者の満足度は高まる」(今別府氏)からだ。

 2018年11月の完成から19年6月まで8カ月の消費電力量は、計算値の6万9445kWhに対して実績値は約25%減の5万2332kWhだった。計算値は、建築環境・省エネルギー機構が取りまとめたエネルギーシミュレーションツール「The BEST Program」で算出したものだ。「中間期と冬期は良い結果を得た。このあと夏の実績がどうなるか」と今別府氏は期待を寄せる。

消費電力量の計算値と実測値の推移(資料:テラル)
テラル本社事務所棟の建築概要データ
・所在地:広島県福山市
・地域区分:6地域
・建物用途:事務所等
・構造・階数:鉄骨造・地上2階建て
・延べ面積: 1963m2(既存部との合計3001m2)
・発注者:テラル
・設計者:プランテック総合計画事務所
・施工者:大林組、ダイダン 、きんでん
・完成:2018年11月
テラル本社事務所棟のZEBデータ(資料:環境共創イニシアチブ)

 この記事は、日経 xTECH(クロステック)の「省エネNext」に掲載したものの転載です(本稿の初出:2019年9月24日)。