東京城西部の中核駅として人で賑わう池袋駅。再開発が進む豊島区役所の跡地で一風変わったイベント「人力遊園地 とべ!とべ!フクロウ」が開催された。会場は2020年7月のグランドオープンをめざして急ピッチで整備が進む「ハレザ池袋」の一部。子どもたちはボランティアとして参加した“黒子”の力を得て、「いけぶくろ」の空を飛ぶ。「区民と公共施設の接点」として企画されたこのイベントはどんなものか。区が込めた意図、そしてクリエイターの思いを追う。

 戦後、駅前にヤミ市がひしめいた池袋駅は、その経緯からか「⼩売店と飲⾷店で構成された雑多な町」というイメージがいまだ残る。だが、元々「池袋モンパルナス」や「トキワ荘」などの芸術家が集う文化的土壌があったこと、西口には東京芸術劇場や立教大学が立地することなどから、近年は「文化都市」としての印象も色濃い。今年2019年は「東アジア文化都市」の開催地として、芸術・文化のイベントが豊島区内で相次ぎ開催されている。

 そんな折、再開発が進む豊島区役所の跡地、池袋駅から徒歩4分程度の場所で、一風変わったイベントが開催された。2019年10月20日に行われた「人力遊園地 とべ!とべ!フクロウ」である。

 会場は、2020年7月のグランドオープンをめざして急ピッチで整備が進む複合施設「ハレザ池袋」の一部。2019年11月1日から施設の部分的なオープンが始まっているが、とべ!とべ!フクロウは、それらを先行利用する形で行われた。

2020年7月のグランドオープンに向けて準備が進められている複合施設「ハレザ池袋」の「パークプラザ」1階部分を外側から見た。ガラスウォールの向こう側に見えるのが「人力遊園地 とべ!とべ!フクロウ」のセットである(特記以外の写真提供:三浦丈典氏。以下同)

 とべ!とべ!フクロウは、子どもたち向けの「手作りテーマパーク」と言えるもの。子どもは主役のフクロウとなり、池袋の過去、現在、未来を旅するという設定だ。

 この手作りテーマパークを支えたのは、ボランティアで集まった黒子姿の大人たち約20人。池袋に住まういたずら好きのカラス、街を見守る「サンシャインくん」(東池袋の高層ビル・サンシャイン60にちなむ)などの登場人物を演じながら、子どもたちの“空の旅”をサポートした。

子どもたちは特製のフクロウコスチュームに着替え、黒子の大人たちに持ち上げられて空を飛び、「いけぶくろ」を浮遊体験する
まずは「むかしのいけぶくろ」。農村地帯だった池袋を舞台に、いたずら好きの角つきカラスを退治するべく角を取る。鬼から改心した鬼子母神伝説に着想を得たという(池袋駅からひと駅の雑司が谷駅近くに、鬼子母神堂がある)
次は「いまのいけぶくろ」。雑踏に潜むネズミをキャッチして、「サンシャインくん」(写真左の着ぐるみ)に届ける(写真撮影:筆者)
最後は「みらいのいけぶくろ」。花びらが入った風船をほうきで割って、未来の池袋に花を咲かせるという設定だ(写真撮影:筆者)