屋上緑化で日射熱を緩和

 建築設計の工夫はどうだろうか。

 2階建ての建物は南面にほぼ正対するようL字形に配置し、2階の東側を駐車場に利用している。客の出入り口は南面に設け、搬入口を兼ねた倉庫は北・西側に集約した。西南側に位置する道路からのアプローチや来客動線を勘案しつつ、東西からの日射をできるだけ抑える配置計画だ。

 「ホームセンターの店舗は開口の数が限られる。外周部分のほとんどが壁で覆われているので、他の用途の建物に比べて開口の影響を受けにくい」(藤井氏)のがメリットだ。

 外壁と屋根には厚さ100mmのグラスウール断熱材を施し、窓まわりにはLow-E複層ガラスを用いた。藤井氏は「ZEBにならない店舗に比べると断熱材はほぼ同等で、ガラスの仕様を高めた程度だ」と説明する。

1階平面図(資料:悠設計)
1階平面図(資料:悠設計)
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2階平面図(資料:悠設計)
2階平面図(資料:悠設計)
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 一方で、溶融アルミ亜鉛合金めっき鋼板を用いた折板屋根は面積が広いため、大きな日射熱を取得することになる。ここでは前述した厚さ100mmのグラスウール断熱に加え、2階店舗の屋根の過半に屋上緑化を施して熱負荷の軽減を図った。ZEB化していない既存の店舗に比べ、夏場の暑さに対する苦情は減っているという。

2階店舗部分に施した屋上緑化(写真:ロイヤルホームセンター)
2階店舗部分に施した屋上緑化(写真:ロイヤルホームセンター)
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 もう一つ、藤井氏がZEB化の効果を指摘するのは木材売り場の温熱環境だ。「木材の収縮を避けるために、基本的に木材売り場には空調を入れないようにしたい。その点、ZEB化した店舗では空調を効かせていないエリアでも室内の快適性を保てるし、木材も反りにくい」というメリットが生まれている。

ロイヤルホームセンター足立鹿浜

所在地:東京都足立区
地域区分:6地域
建物用途:物販店舗等
構造・階数:鉄骨造・地上2階建て
延べ面積:1万2129m2
発注者:ロイヤルホームセンター
設計者:悠設計
施工者:イチケン東京支店
完成:2018年4月

ロイヤルホームセンター足立鹿浜のZEBデータ(資料:環境共創イニシアチブ)
ロイヤルホームセンター足立鹿浜のZEBデータ(資料:環境共創イニシアチブ)
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 この記事は、日経 xTECH(クロステック)の「省エネNext」に掲載したものの転載です(本稿の初出:2020年3月30日)。