苦境に立たされるさまざまな現場で実証実験を実施

実証実験はどのような場所で行っているのでしょうか?

亀井氏ワークスペースはもちろん、それよりも規模の大きな空間でも行っています。例えば、3000人規模のライブホールである「Zepp Haneda(TOKYO)」では、既存の空調設備を介して「クロラス酸水」を噴霧する実証実験を行いました。空調衛生設備の設計・施工を行う東洋熱工業様、業務用空調機器メーカーの新晃工業様とタッグを組んで実現したプロジェクトでしたが、効果は上々です。

 さらに、堤真一さんや三谷幸喜さんなどが所属するシス・カンパニー様が、新国立劇場の小劇場で行った舞台では「クロラス酸水」を使って客席を除菌するとともに、ホワイエやエントランスに噴霧器を設置。感染のリスクを抑え、公演の開催に貢献することができました。スタジアムなど、さらに大きな会場では、農業用ドローンを利用して空中散布するサービスをパートナー会社が展開しています。逆に狭小空間への応用では、エレベーターメーカーと協業して電子基板やプラスチックなどへの影響がないことを検証ずみで、製品化に向けた準備も行っています。

 私たちは、パートナー企業と共にクロラス酸水や噴霧器など、良いモノをどのように運用すれば、より付加価値がつくのか。そのために必要な開発、実証実験のコーディネートを行っていますが、コロナ禍で活動できない、活動することに不安を感じている方々から感謝の声をいただくことも少なくありません。本当に困っている方のお役に少しでも立てているという実感があるので、やりがいもひとしおですね。

換気に加えてさらなる感染の予防策が求められるイベント会場。Zepp Haneda(TOKYO)ではホワイエや楽屋に専用噴霧器を設置。加えて、3000人収容のホール(右下写真)でも空調設備を介した除菌の実証実験を行った。
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今後の展望を聞かせてください。

亀井氏「クロラス酸水」を使った感染対策ソリューションは、当社が新しく立ち上げた空間ソリューションの事業ブランド「coe's(コーズ)」の下、「coe's air(コーズ・エア)」という名前で展開していきますが、当社の社名にもなっている「エンゲージメントの新たなスタンダード(編注:NSFエンゲージメントという社名は“New Standards for Engagement”が由来)」のひとつとして、世の中に定着させるための取り組みをさらに進めていく予定です。

 私たちが考えるゴールは、一人ひとりが抱える課題から世の中に拡がる課題まで、真摯に向き合って、あらゆる人が集う“場”に新しい価値と今までにない解決を届けることです。そう考えると、ワークプレイスにとどまらず、劇場やイベント会場、ひいては“まち”全体が対象になるでしょう。活動自体は、これまで通り「現場を知ることで、現実に即した提案を行う」姿勢を重視して進めていきますが、いまは一刻も早く「coe's air」のさまざまなソリューションを展開して、働く場と暮らす場に安全な空間と安全な習慣をつくることで、少しでも社会に貢献したいと考えています。

ウィズコロナ時代に向き合う演劇界の声
新国立劇場・小劇場のエントランスやホワイエに噴霧器を設置し、クロラス酸水を噴霧。さまざまな感染対策を複合的に実施することで、感染のリスクを最小限に留めるよう努めている。
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 劇場での感染対策・拡大防止への取り組みとして、手指消毒や靴裏の除菌、最大限の換気など、ご来場の皆さまに安心してご観劇いただけるよう日々努力しております。

 そのひとつとして、クロラス酸水を劇場内座席への散布や、クロラス酸水専用噴霧機を使ってロビーの空間除菌を実施しています。特に、ロビーへの対応は、ご来場いただいたお客様に行った感染対策に関するアンケートにおいても「大変満足」という回答が多く寄せられました。

 スタッフや関係者も、クロラス酸水を使って日々の感染対策に努めています。手肌に優しく、臭いもしないのでとても好評です。

 2020年12月5日~27日に世田谷パブリックシアターにて公演中の『23階の笑い』においても、ロビーやホワイエに加えて、楽屋や本番に向けた稽古場へもクロラス酸水専用噴霧器を設置。お客様はもちろんのこと、出演者やスタッフなど、関係するすべての方々の『安全空間×安全習慣』を心掛けております。

シス・カンパニー 代表・北村明子