2020年10月、新潟県長岡市にシェアスペース「ひらく」がオープンした。運営するのは20代後半の3人の女性。名前には「地域にひらく、夢をひらく、道をひらく」という意味が込められている。「利用者にとって自分の人生の可能性を広げる場になれば」と運営者の一人、田中佳苗さんは話す。2020年11月には、周辺施設と共同でイベントも開催。地域の人たちの大きな関心を呼んでいる。

気負いのない素直な気持ちから生まれたスペース

 「地域の人たちが気軽に集まれる“居場所”を作ろう」

 新潟県・長岡市に昨年10月にグランドオープンしたシェアスペース「ひらく」は、そんな3人の女性の思いからスタートした。みな同年代の20代後半。学校を出て、社会に出て、結婚をして、子どもができる──。そんな女性のライフステージを肌身で感じる年齢だ。会社の仕事をしているだけでいいのか、子どもが生まれたらどうなるのか。そんな思いを抱えていたとき、「自分たちの人生が楽しくなる居場所ができるといい」という彼女たちの気負いない素直な気持ちから、「ひらく」は生まれた。3人の運営者のうち2人は会社勤めだ。

2021年1月に訪れた長岡市の一軒家シェアスペース「ひらく」(写真手前)(写真:大塚 千春)
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「ひらく」の運営者の一人、田中佳苗さん(写真:大塚 千春)
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 「ひらく」というスペースの名前には、「地域にひらく、夢をひらく、道をひらく」という意味が込められている。利用者にとってこの場所が、自分のコミュニティを、人生の可能性を広げる場になってくれればと考えているのだ。“利用者”には、彼女たち自身も含まれている。「いずれは託児所も設け、自分のようにフリーランスで働く人も、負担なく仕事ができる場にしたい」と、フリーライターでもある運営者の一人、田中佳苗さんは話す。

 長岡駅から徒歩十数分ほどの場所にある「ひらく」は一軒家。1階には、1日1人1,000円(税別)で利用できるコワーキングスペースのほか、料理教室などに利用できるキッチンがある。2階はワークショップから会議、誕生会まで、さまざまな目的で活用できる個室が2部屋。大きさによるが、個室は2時間2,000円(税別)からと使いやすい料金設定だ。コワーキングスペースでは、パソコンで仕事をする人が目立つが、集中して作業ができるのだろう。刺繍やアクセサリー作りなど、ものづくりをする人も少なくない。2階の個室は、ベビーマッサージや産後ピラティスなど、母子に向けたワークショップでの利用が多いという。そのほかにも精油を使った香りを楽しむワークショップなども開催されてきた。「例えば、今は会社勤めだけれど、先々、好きなことを仕事にしたい。そういう人の小さな一歩になってくれれば」と田中さんは考えている。

「ひらく」1階のコワーキングスペース。部屋の片側が大きな窓になっており開放的な空間だ(写真:ひらく)
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「ひらく」2階のレンタルスペースの一つ(個室)。6畳と9畳のスペースがある(写真:ひらく)
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これまでに「ひらく」で開催されたワークショップの一つ。精油を使ったハンドクリームとマスクスプレーを作る内容(写真:ひらく)
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 「新型コロナウイルスによる社会の変化は、人々が今後どうやって生きたいかと振り返る機会になっています。月に1度、運営メンバーと一緒に同世代とのご飯会を『ひらく』で開催しているのですが、『地域を活性化するホテルを開くぞ』という目標を持つなどアクティブな人が多くて、刺激になっています。だから、ゆくゆくは『ひらく』に来れば誰かに会える、話せるという場所になったらいいなと思うんです」(田中さん)