2021年春、埼玉県深谷市に最新の植物工場を活用したアグリワーケーション施設「ONE FARM深谷Works」が登場した。企画・運営するのは、グリーンリバーホールディングス(本社:福岡市)。太陽光発電所の設計・施工事業を主力とする企業だ。同社はなぜ農業分野に踏み込んだのか──。代表取締役の長瀬勝義氏に取材し、その狙いを語ってもらった。

 「アグリワーケーション」とは、農家や漁村などに滞在する「農泊」と休暇先で仕事をする「ワーケーション」を組み合わせた造語。農村地域で生活体験をしながら、リモートで働くスタイルを指す。コロナ禍によって働き方が変化するなかで、注目されるようになった。

 2021年春、埼玉県深谷市に誕生した「ONE FARM深谷Works」は、最新のハイテク農業を体験しながらリモートワークが可能なアグリワーケーション施設だ。

「ONE FARM深谷Works」の全体イメージ。コンテナ型の植物工場が複数配置されるほか、土耕エリア、テントサイト、デッキサイト、ピザ窯、ドッグランなど、アグリワーケーションを楽しめる施設がそろっている(資料提供:グリーンリバーホールディングス)
「ONE FARM深谷Works」の全体イメージ。コンテナ型の植物工場が複数配置されるほか、土耕エリア、テントサイト、デッキサイト、ピザ窯、ドッグランなど、アグリワーケーションを楽しめる施設がそろっている(資料提供:グリーンリバーホールディングス)
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 ONE FARM深谷Worksにおける農業は、主に施設内に複数配置されたコンテナ型の植物工場で行われる。コンテナ内部には、縦型水耕栽培装置が備えられており、そこで野菜を栽培しているのだ。コンテナにはデスクスペースもあり、農業管理記録などを行う事務スペースとしてはもちろん、農業とは無関係の仕事でも、リモートワークのためのワーキングスペースとして利用できる。

 同施設には、そのほかにも土耕エリア、テントサイト、デッキサイト、ピザ窯、ドッグランなどがそろう。最新のハイテク農業を体験しながら、アグリワーケーションを楽しむことができるエンターテインメント農場だ。

コンテナ型の植物工場が実際に配置された様子。ハイテク農業の実証実験を行うと同時に、アグリワーケーション施設としても広く開放する(写真:グリーンリバーホールディングス)
コンテナ型の植物工場が実際に配置された様子。ハイテク農業の実証実験を行うと同時に、アグリワーケーション施設としても広く開放する(写真:グリーンリバーホールディングス)
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植物工場の内部には独自の縦型水耕栽培装置が備えられている。IoT(モノのインターネット)技術によって遠隔地でもモニタリングや温熱環境のコントロールが可能だ(写真:グリーンリバーホールディングス)
植物工場の内部には独自の縦型水耕栽培装置が備えられている。IoT(モノのインターネット)技術によって遠隔地でもモニタリングや温熱環境のコントロールが可能だ(写真:グリーンリバーホールディングス)
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 この施設を企画し運営するのは、グリーンラボ(本社:福岡市)。太陽光発電所の設計・施工事業を主とするグリーンリバーホールディングスのグループ会社であり、グループ内の農業部門を担う企業だ。

 太陽光発電の設計・施工事業を主力とする同社がなぜ農業分野に踏み込んだのか。そして何を狙いとしているのか。その理由を探るには、グリーンラボおよび親会社のグリーンリバーホールディングスの両方で代表取締役を務める、創業者の長瀬勝義氏の経歴からひもとく必要がある。