岐阜県飛騨市では、2022年4月からユニークなプロジェクトが本格始動している。「SAVE THE CAT HIDA」は、ふるさと納税による寄付金を利用して、地域が抱える課題を、猫を通したソーシャルビジネスで解決していこうというものだ。飛騨市と連携してプロジェクトに取り組むのは、岐阜市に本拠を置く株式会社ネコリパブリック。代表の河瀬麻花さんに、これまでの経緯や具体的な事業内容を伺った。

ビジネスとして“自走型”保護猫カフェを運営

 河瀬麻花さんに会うために訪ねたのは、岐阜市内にある保護猫カフェ「ネコリパブリック」1号店。保護猫カフェとは、もともと野良猫だったり、増えてしまって飼いきれなくなったりなど、さまざまな事情から保護された猫たちを預かり、新しい飼い主と出会う機会を提供する場である。入場料を払えば誰でも一定の時間、カフェ内に滞在し、猫と触れ合うことができる。引き取りを希望している人だけでなく、寄付に貢献したいという人や家では飼えない猫好きな人たちの人気スポットとなっており、近年、動物愛護団体などが運営する保護猫カフェも増えている。

JR岐阜駅からバスで20分ほど、大型商業施設の向かい側にあるネコリパブリック岐阜店。歩道を歩く3人は、このあとカフェ店内に入っていった(撮影:中島 有里子)
JR岐阜駅からバスで20分ほど、大型商業施設の向かい側にあるネコリパブリック岐阜店。歩道を歩く3人は、このあとカフェ店内に入っていった(撮影:中島 有里子)
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 国内には数多くの民間の動物愛護団体が存在し、行き場のない犬や猫を保護して里親探しなどに取り組んでいる。活動には保護期間中のエサ代や医療費、消耗品などの費用だけでなく、犬や猫を収容する施設の維持費など多額の費用が必要になる。動物愛護団体が一般社団法人やNPO法人になっていたとしても、必要な費用のほとんどを寄付や支援物資を募ることで賄っており、動物たちの世話はボランティアが中心となって行っている。動物愛護団体が保護猫カフェや保護犬カフェを運営し、入場料やドリンク代を得られる場合でも、その収入だけで活動を維持することはほぼ不可能だ。

 河瀬さんが代表を務めるネコリパブリックは動物愛護団体ではなく、法人として保護猫活動を事業化している「猫を助ける」ための株式会社だという。全国に6店舗の保護猫カフェをはじめ、食堂やブランドストアなどを運営している。つまり、保護猫カフェもビジネスとして自走できるシステムに組み込まれているのだ。

 「私たちは保護猫を家族に迎える文化を広めること、そしてこの世のすべての猫に安心して寝る場所とおなかいっぱいになる幸せを与えることをミッションとしています。このミッションに基づいて、猫助けにつながる猫関連の事業を展開し、何でも新しいことをどんどんやっていくというスタンスで取り組んでいます」と河瀬さん。

株式会社ネコリパブリック代表取締役の河瀬麻花さん。岐阜店1階にある猫と触れ合うカフェスペースにて(撮影:中島 有里子)
株式会社ネコリパブリック代表取締役の河瀬麻花さん。岐阜店1階にある猫と触れ合うカフェスペースにて(撮影:中島 有里子)
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