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Suicaの履歴データ販売、ネット上で物議を呼ぶ

2013/07/12

Jay Alabaster IDG News Service

 今回のサービスで、JR東日本は日立に対し、Suicaの膨大な乗降履歴に基づくデータを匿名化して提供する。日立はこのデータを分析し、レポートとして販売する。Suicaの発行枚数は約4300万枚と日本のICカードで最も多く、日本の人口のおよそ3分の1に相当する。

 今回のサービスは、日立が6月27日に短いプレスリリースで発表した時点では、ほとんど注目を集めなかった。だが、Suicaのデータが第三者に販売される初めてのケースとなる。やがて著名なブロガーらがこの問題を取り上げ始め、Twitterなどネット上で物議を呼んだ。

 データプライバシーの問題についての積極的な発言で知られる研究者の高木浩光氏は、「適正な方法で利活用するという道がアリだとしても、世間が納得する形でなければなりません」とTwitterに投稿している。

 今回のサービスを「気持ち悪い」とする声は多く、反響は広がっている。「個人的には気持ち悪いよりも、JR東と日立の情報管理能力に信用がおけない」と投稿した人もいた。

 今回日本で沸き起こった反響は、米国家安全保障局(NSA)の監視プログラムに対する世界の反応とも重なる。監視プログラムの内幕を告発した元NSA契約職員のEdward Snowden氏の動向については、日本のメディアも詳しく報じている。また日本では、ネット上で自らの素性を明かすことを躊躇する人も多い。

 今回のサービスでJR東日本が提供するデータは、特定の駅を利用した乗客の性別、日時、滞在時間など。同社も日立も、法令に従っていることを重ねて強調している。またJR東日本によると、Suicaの利用規約上、乗客のデータに対する権利は同社にあるという。

 JR東日本の広報担当、山口崇氏は、「データから個人を特定することはできないので、プライバシーの問題はないと考えている」と話す。

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