TOPマネジメント > 新興企業のサービス利用、強みと弱みを探る(後)

マネジメント

新興企業のサービス利用、強みと弱みを探る(後)

2014/03/19

Jonathan Hassell CIO

 IT系の新興企業が魅力的な存在であることは認めざるを得ない。こうした企業はメディアからさまざまな形で注目を集めている。特に、投資家の信任を受けている新興企業となるとなおさらだ。人を一気に億万長者にする可能性がある。通常は、強固な事業計画を選ぶ道があり、そして多くの場合、収益化への道もある。

前回から続く)

 さらに、製品やサービスを利用する立場から、機能を提案したり、製品の方向性を考えたりできる可能性もある。また、利用側が中堅企業や大企業の場合、問題を迅速に解明したり、特定の機能が役に立つ部分を理解したりするために、新興企業側の開発者やテスト管理者と直接コミュニケーションさせてもらえるケースも多い。通常、名のある大手ベンダーの製品やサービスでは、そのように実際のコーディング担当者と直接コミュニケーションする機会は得られない。せいぜい、顧客企業で構成されるアドバイザリーカウンシルなど、非公式のグループに入れてもらえる程度だ。

 こうした重要な部分で開発元の新興企業の協力を得られるのは、自社専用のアプリケーションを社内で開発するのに近い面が多々あり、しかも優れたサポートスタッフまで付いていることになる。開発元の新興企業は真のパートナーとなり、自社の開発チームの延長となる。

弱み:資本主義の継続的リスクで新興企業が存亡の危機に至ることがある

 設立から日が浅い企業はどこもそうだが、特にIT系の新興企業の場合、スタートの段階から現金が減る一方になるという問題を回避するのは難しい。技術的に鍵を握る重要な課題を解決するためには、費用のかかる専門的な技術者を雇い、シリコンバレーの水準の給料を払って、さまざまな特典やオプションを与える必要がある。一般に、こうした新興企業が問題を切り抜けて事態を進展させるための策は、人員を増やすことだと見られることが多い。「開発者をもっと雇え」というのがスローガンとなる。いわば、開発者という果実を木から次々ともぎり取れば、得られる果汁も勝手に増えるという考え方だ。

 だが問題は、こうした社員のほとんどが2週間おきの給料受け取りを期待するのに対し、当の社員が製品やサービスをゼロから開発している段階なので、給料の支払いに回すための収入がないという点だ。このため通常は、それなりのアイデアを持つ新興企業に対しては、何らかのベンチャーキャピタル企業が勇敢にも(あるいは愚かにも)1~2年分の資金を提供し、成長の一翼を担うことが多い。

 ここに課題がはっきり見てとれる。支出が非常に多い反面、収入はほぼゼロに等しいため、新興企業の存亡は、ひとえにベンチャーキャピタル企業がリスクを取れるかどうか、そしてその意欲がどこまで高まるかにかかっているのだ。

↑ページ先頭へ